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2021年2月19日
20年にわたる金融犯罪との戦い
本稿は、2020年11月24日投稿された英文ブログの翻訳です。


Managing Director
Risk business at Refinitiv
Phil Cotter
リフィニティブが金融犯罪対策への支援を開始してから2020年で20年目を迎えました。 リフィニティブは、データとテクノロジーを先駆的に活用することで、お客様が規制上の重要な課題に対応できるようサポートを行ってきました。20 年前、マネーロンダリング (資金洗浄) やテロ資金供与に関する規制上の義務履行の新たな対策が求められる中、誕生したのが World-Check です。
1. お客様が金融犯罪に関する規制上の義務を果たせるよう、World-Check による支援を開始してから、20 年が経ちました。
2. 近年、新しい形態の金融犯罪が急増しており、お客様にとってこれまでになく大きな課題となっていますが、こうした新たなニーズに応え続けるため、リフィニティブはどのように変化に対応してきたのでしょうか?
3. リフィニティブはお客様固有の課題を把握し、適切なソリューションを適切なタイミングで提供できるよう努めています。
2011 年、当時のガバナンス・リスクおよびコンプライアンス事業の担当役員を務めていた、リフィニティブの現 CEOであるDavid Craig は、世界金融危機後、規制上の義務を果たすことが銀行にとっての重大な課題になるだろうと認識していました。 お客様の課題解決を支援する上で、その中心的な役割を担える可能性を World-Check に見い出したのです。World-Check の買収により、リフィニティブの現在のリスク・ビジネスの基盤ができあがりました。
現在、約 10,000 社にのぼる世界中のお客様が、リスクとコンプライアンスに関するニーズに対応するため、リフィニティブのデータ、テクノロジー、そして専門家の知識と経験を活用されています。 さらに、規制範囲の拡大により、サプライヤーとサードパーティとの関係においても高度なデューデリジェンスが求められるようになったため、現在は金融業界以外のお客様も多くご利用になられています。
World-Check Risk Intelligence: 構造化された正確な情報を利用して KYC デューデリジェンスのスクリーニング義務を履行することで、企業を金融犯罪から保護し、リスクを軽減します。


20 年にわたる金融犯罪との戦い
この 20 年間、世界の金融システムを介したマネーロンダリングの手口はますます巧妙化し、企業はこうした犯罪者や組織犯罪グループの脅威にさらされてきました。これに対応する形で、金融犯罪に対する規制もその複雑さを増し対象範囲を大きく広げなければなりませんでした。近年では、人身売買や野生生物犯罪の急増、グリーン犯罪の出現など、新しい形の金融犯罪も発生しています。
こうした状況はすべて、お客様にとってかつてない重大な課題となっています。リフィニティブは、こうした新しい脅威に対処できるようお客様の支援に取り組んでいます。また、データと最先端のテクノロジーへの投資の拡大や、新たなパートナーシップを通して、革新的ソリューションの提供を目指しています。
専門家の知識と経験が鍵
専門家の知識と経験は、この 20 年間における World-Check の発展に欠かせないものであり、今後もそれは変わりません。
この 20 年間、共に戦ってきた専任のリサーチ・アナリストが多くを占めるリフィニティブのチームは、この間、大きく成長し、65 種類の言語で調査を行えるほどに拡大しました。そして優れた、革新的な開発者たちとリフィニティブのリサーチ・チームとの連携により、製品を強化し、新しい概念の実証を推し進めてきました。2014 年、その後数々の賞を獲得することになるスクリーニング・プラットフォーム World-Check One をリリースしました。
これは大きな一歩であり、リサーチ・チームによる他を凌駕する World-Check リスク・インテリジェンスと、テクノロジー・チームによる自動スクリーニング・ソフトウェアを組み合わせることで実現しました。これにより、オンボーディングとデューデリジェンスのプロセス全体の簡素化と迅速化を実現したため、お客様にとって画期的なものとなりました。その進化は続いており、さらにシンプルでインテリジェントにリスクのモニタリングし改善することを可能にしています。
2018 年にリリースしたWorld-Check One のメディア・チェック は、増加し続けるリスク・データの中から最も関連性の高いデータを特定するという課題に対応したものです。この独自のスクリーニングおよび処理ツールは、高度な AI テクノロジーを使用することで、お客様にとって最も重要と思われるデータを取り出すことを可能にしています。
2019 年には、コンテンツの幅を広げるため Dunn and Bradstreet と戦略的パートナーシップを締結しました。この提携により、業界最高水準のツールであるリフィニティブの UBO Check がリリースされ、取引先企業の最終受益者あるいは実質支配者の検証が可能となりました。
金融犯罪問題の啓発のためのパートナーシップ
金融犯罪は世界規模で行われるため、単独の政府や組織が立ち向かえるものではありません。金融犯罪対策のエコシステムにおいて参加者が協力し、連携のとれた一貫したアプローチをとることが必要となります。
リフィニティブは Global Coalition to Fight Financial Crime (英語 : 外部リンク) の立ち上げに最前線で関わり、欧州刑事警察機構および世界経済フォーラムと共にその創設メンバーとなっています。この団体の目的は、より有効な官民の連携を促進し、政策立案者の協力を得ることで、マネーロンダリング対策規則をより効果的なものとすることを目指しています。
常に耳を傾ける
リフィニティブはお客様との緊密な関係を常に大切にしています。リフィニティブは、お客様特有の問題を把握し、いつでも適切なソリューションを、適切なタイミングで提供できるよう努めています。また、リスクおよびコンプライアンス担当者の前に立ちはだかる大きな問題についてより理解するため、定期的に調査を実施して、世界中の何万人という専門家の意見に耳を傾けています。そして、「真のリスク: サードパーティとの関係に潜む脅威」といったレポートを通し、コンプライアンス業務に影響を与える最新トレンドについての有益なインサイトと情報を提供しています。
ここで、リフィニティブのお客様の声を直接お聞きください。今年、何千社とあるお客様のうちの数社に連絡し、リフィニティブの World-Check との提携を決めた理由について伺いました。
お客様の声:Sansan 株式会社 Sansan 事業部 SansanPlus 推進部 ISVアライアンスグループシニアマネージャー
プロダクトマーケティングマネージャー 西村仁氏
次の 20 年に向けて
進化し続ける脅威を考えると、テクノロジーとデータは、金融犯罪ネットワークを壊滅させる上で引き続き重要な役割を担うことになります。新型コロナウイルスの登場によって脅威の様相が大きく変化し、金融犯罪のリスクも高まっています。パンデミックが起こる前でさえ、金融犯罪の性質は変化していました。中でも個人情報関連の詐欺は、最も手口が巧妙で急速に拡大していた犯罪形態です。
こうした脅威の増大に伴って企業は、自社のシステムをモニタリングし、顧客や見込み顧客を脅威から確実に保護することを強く求められるようになっています。今では、マネーロンダリング関連のリスクだけでなく、個人情報、サイバー犯罪、そして詐欺リスクについても、真剣に対策を検討する必要があります。増大する脅威に対抗するには、企業、規制当局、政治家、慈善団体が一体となって取り組んでいかなければなりません。
私たちの、この 20 年間の金融犯罪対策への取り組みに対するお客様および関係者の皆さまのご支援、ご協力に心より感謝申し上げます。
注)本稿は、2020年11月24日投稿された英文ブログの翻訳です。内容に相違がある場合にはリフィニティブのグローバルサイトに掲載されている原文が優先します。
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