求められる超ローレイテンシー (超低遅延) PCAPの品質向上

目次

I. Summary
II. 電子取引に必要な「データ品質」5 カ条 
III. データギャップへの対処法

I. SUMMARY

• 厳格化するデータ品質: 電子取引のライフサイクルに沿って使用されるユースケースで、ヒストリカル情報 (ティックデータ) の品質基準は厳しくなる一方だ。
• ロスレス・キャプチャ: データ品質の高さの証であるロスレス・キャプチャ。ロスレス・キャプチャを確実に行うには、優れた技術、プロセス、人材が必要となる。
• ヒストリカル情報への投資を加速: リフィニティブは、Tick-History - PCAP とそのキャプチャ技術である Real-Time - Ultra Direct へのあらゆる投資を加速させる。

電子化、アルゴリズム、AI 、機械学習など、証券取引におけるテクノロジーの活用が進み、高品質なデータの重要性が飛躍的に高まっています。

中でも、ローレイテンシー取引を支えるパケットキャプチャ形式 (PCAP) のヒストリカル情報は、極めて堅牢かつ高精度であることが求められています。リフィニティブの親会社である LSEG が 2022 年 5 月に May Street を買収したことで、Refinitiv Tick History - PCAP データは今後、飛躍的に成長していくでしょう。

ちなみに May Street は、2012 年の創業以来、銀行、資産運用会社、ヘッジファンドを含む 65  以上のステークホルダーに、高品質かつグローバルなローレイテンシー・テクノロジーと市場データを提供してきたデータプロバイダーです。

(Refinitiv Tick History - PCAP は、データセンターレベルで直接取得された 20 ペタバイト以上の超高品質なグローバル・マーケット・データのクラウドベースのリポジトリです。)

II. 電子取引に必要な「データ品質」5 カ条

高まる一方の、電子取引ニーズ。電子取引に必要なマーケット・データには、次の 5 つの「データ品質」が求められます。

• 正確性 - 証券取引所の公式データであり、かつ、公表データに忠実であること
• アクセシビリティ - 必要なとき・必要な場所でアクセスできること
• 完全性 - 取引所の提供するすべてのデータ要素が含まれていて、欠損のないデータセットであること。そして用途に応じてあらゆるデータが利用可能であること
• レイテンシー - 高性能のネットワークインフラ (スイッチ/ルーター) を用いて、ネットワーク上のホップ数を最小限に抑え、取引所から送信されるデータを即座に取得していること
• ユーザビリティ - 金融サービス企業が求めるフォーマットでデータを利用できること

Refinitiv Tick History - PCAP は、リフィニティブの超ローレイテンシー・フィード・ハンドラーである Real-Time - Ultra Direct を使用し、取引所から直接取得したデータを高いレベルの精度、アクセシビリティ、完全性およびユーザビリティ、ならびに低遅延・キャプチャで提供します。よって金融サービス企業は、繊細なユースケースでも、安心して Tick History – PCAP をご利用いただけます。

III. データギャップへの対処法

Refinitiv Tick History - PCAP はすでに堅牢なヒストリカル情報を提供していますが、多様化する利用方法と、お客様の要望をサポートするために、データ品質を常に進化させ続けます。

例えば、Tick History - PCAP はプライマリ・データセンターのプライマリおよびバックアップキャプチャを使用したアービトレーション後のデータにドロップ (データの欠落) がないかを確認します。ドロップが見つかった場合は、バックアップサイトを含めることが有益であるかどうかを判断するために調査されます。

短期的には、Tick History – PCAPは、すべてのデータ取得に TCP リプレイを含め、ドロップが発生した際は自動的にリプレイをキャプチャし、フィードとともに配信します。中長期的には、アービトレーションの前に自動的にドロップを調査するプロセスを組み込み、最も繊細なユースケースでも活用いただけるよう、より正確なデータを提供していきます。

本稿は英国現地時間 2023 年 5 月 12 日に投稿された "Data quality: The value of low latency PCAP capture" の邦訳です。