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2021年9月9日

ESG投資の課題を知る、 ESG推進に向けた情報開示・データ面の課題

本ブログは2021年7月6日に開催した特別ウェビナー「ESG推進に向けた情報開示・データ面の課題」について振り返ります。

 

リフィニティブ・ジャパン株式会社 

執行役員 法人営業部長

矢谷 邦見

本年7月6日にリフィニティブは「ESG推進に向けた情報開示・データ面の課題」と題したウェビナーを開催しました。ESG関連をテーマにしたイベントが数多く開催されていますが、本ウェビナーは情報開示とデータ面の課題に焦点を絞り、差別化を図るとともに、リフィニティブの特色を生かした内容となりました。

 

当日のアジェンダ (ご登壇者の肩書は、開催日時点のものとなります。)

オープニングスピーチ
世界経済フォーラム日本代表 江田 麻季子 氏

基調講演       
「ESG推進に向けた情報開示・データに関する国際的な議論と金融庁の取組」
金融庁 金融国際審議官 森田 宗男 氏

パネルディスカッション
「ESG情報の開示とデータ整備に向けての課題」パネリスト(五十音順)

武田薬品工業株式会社
ジャパンファーマビジネスユニット プレジデント 古田 未来乃 氏

ニッセイアセットマネジメント株式会社 
代表取締役社長 大関 洋 氏

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 
執行役常務 グループCSO兼CSuO 宮下 裕 氏

モデレーター
リフィニティブ・ジャパン株式会社|LSEG(ロンドン証券取引所グループ) 
代表取締役社長 富田 秀夫

 

本ウェビナーは、世界経済フォーラムとの協力で開催が実現しました。これには、2020年1月の世界経済フォーラム年次会議の場で設立の合意がなされた「フューチャー・オブ・サステイナブル・データ・アライアンス(FoSDA)」にリフィニティブが中心的な役割を果たした経緯によるものです。FoSDAは、持続可能な社会の実現に向けて、情報開示の標準化や、不足または未着手のデータの特定、収集、蓄積など重要課題に、事業会社、投資家、金融機関、政府機関など他のステークホルダーとともに取り組んでいます。

世界経済フォーラムとは、スピーカーの人選、招へいでも協力し、今回は先端的なテーマにもかかわらず、本テーマに知見をお持ちの素晴らしい方々に登壇して頂くことができました。

集客面では、募集開始直後から大きな反響がありました。最終的には専門的な内容にもかかわらず、1000名を越える登録があり、ご登壇者の魅力と相まって、本テーマへの関心の高さを知ることができました。

また、ウェビナー参加者の内訳をみると、事業会社と金融機関が中心であり、それに加えて、コンサルティングファーム、大学、政府機関、法律事務所など、幅広い分野から参加がありました。特に事業会社の皆様の関心が高く開示データの整備、充実が課題となっていることがうかがえます。

本ウェビナーでは、ご登壇の皆様から示唆に富んだお話を頂きました。オープニングスピーチを頂いた江田様からは「企業が業種や地域を問わず報告可能である普遍的で比較可能な開示事項を提供できるステークホルダー資本主義指標の作成」や「リフィニティブを中心に設立合意を進めたFoSDAを通じて投資家がESG面を適切に評価した投資判断をする為に必要なデータ整備への着手」等のお取り組みについてご紹介を頂きました。基調講演では、森田金融国際審議官(当時)様より、ESG推進に向けた国際的な取り組みとしてTCFD、ISSB、コーポレートガバナンスコードの改定案、IOSCO声明、G7/20における議論、サステナブルファイナンス有識者会議等についてご説明を頂きました。

パネルディスカッションにおいても活発な議論がなされ、古田様からは「多くの開示基準があるものの、その収斂に向けた動きがある点に期待をしている。ただ、セクターごとに社会面でのインパクト等特性が異なるので、その特徴を捉えることが重要」、大関様からは「資産運用という観点からは、ESGに配慮した運用から、より世の中の動きを促進するためのESGインパクト投資へのシフトが課題と認識している」、宮下様からは「企業評価、リスク判断など行う金融機関として、統一された基準での開示がなされ、その結果を正しく使っていくことが我々の責務であると考えている」などのご意見を伺いました。

また、セミナー終了後のアンケートでは、「バランスの取れたパネリスト」「足元の取り組み状況が理解でき非常に有意義」「異なる立場の参加者から様々な視点で話を聞けた」「不透明、難解な世界についてできるだけ明快な論点を示そうとしている」などの高評価を頂くことができました。

本ウェビナー中では、本年開催されるCOP26を見据えて、官民一体となって開示基準の統一化、データ基準の開発、その適用の促進、一部では開示義務化などの議論も深めるべきという声が上がりました。不足データ(データギャップ)などは大きな課題であり、この基盤を固めることが重要というお声は多く、データベンダーとしての使命感を新たに感じました。

一企業、一金融機関としてできる事には限りはありますが、出来る事を着実に進め、持続可能な社会の実現に向けてしっかりと役割を果たしていきたい、という声がスピーカーの皆様から伺えました。私達も本ウェビナーの開催を通じて、このコミットメント、熱量こそが世界を変える原動力となってくと感じました。非常に有意義なウェビナーを開催する事ができ、また多くの皆様にご参加頂けたことを心から感謝いたします。

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