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2022年3月24日

「リフィニティブ・リッパー・ファンド・アワード・ジャパン 2022」の概要とファンドの「優秀さ」についての考察

The Finance risk screen

リフィニティブ・ジャパン株式会社

コンテント・マネージャー 投資信託担当

熊谷紀香

 

今年で21回目を迎えるリフィニティブ・リッパー・ファンド・アワードにおいて、カテゴリー別の最優秀ファンド賞160ファンド、運用会社賞8社を選定いたしました。内訳は、個別ファンド部門/投資信託部門で135本、2015年から始めた確定拠出年金(DC)部門では25本が授賞しました。

投資信託部門では、フィデリティ投信株式会社が最優秀運用会社賞を受賞。アライアンス・バーンスタイン株式会社は株式部門において、明治安田アセットマネジメント株式会社は債券部門において、楽天投信投資顧問株式会社はミックスアセット部門において、それぞれ各部門で初めて最優秀運用会に選出されました。

確定拠出部門では三井住友DSアセットマネジメント株式会社が総合部門と株式部門に選出され、アセットマネジメントOne株式会社が債券部門において、東京海上アセットマネジメント株式会社は、4年連続でミックスアセット部門の最優秀運用会に選出されました。
また、日本独自で選定している優秀ファンド最多獲得賞は大和アセットマネジメント株式会社が選出されました。

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リフィニティブ・リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2022
最優秀ファンド賞および最優秀会社賞はコチラからご確認いただけます。
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今年のアワードの傾向を見ると、投資信託部門においては、「オルタナティブ クレジットフォーカス」、「債券型 アジアパシフィック LC」、「債券型 インドネシアルピア」、並びに「債券型 米ドル 地方債」が最優秀ファンドの4つのカテゴリーが、ファンド数が受賞要件を満たさなかったため、受賞対象分類から外れました。

また、投資信託の平均設定後年数が約7.5年と言われる中、当アワードにおいては、昨年に続き、評価期間10年のファンドが、投資信託部門では30本から31本に増え、確定拠出部門では、昨年と変わらず7本が受賞し、運用期間10年超のいわゆる「長寿ファンド」の増加傾向が見られました。

投資信託部門の受賞ファンドをアクティブ・ファンドとパッシブ・ファンドという観点で比較をすると、昨年は1本のパッシブ・ファンドが最優秀ファンド賞を受賞しましたが、本年度は97本(複数年受賞ファンドは1本として集計)中、5本が受賞しました。確定拠出年金部門では、18本(複数年受賞ファンドは1本として集計)中、5本という結果になりました。

日本の本年度の結果を見ると、リッパーが用いている「収益一貫性」、つまり、どの期間でも安定したパフォーマンスを得る、という観点から、ファンドを評価する場合、アクティブ・ファンドが強みを発揮したことを示しています。銘柄選別も含めリスクマネジメントが行われているアクティブ・ファンドであれば、基準価額の下落率はインデックス・ファンドに比べて低く抑えられる可能性が高いことを示唆していると思われます。

ここで、ファンドビジネスにおける「優秀さ」について考察してみたいと思います。ファンドの「優秀さ」とは、単純に言えば、アクティブ・ファンドの場合はベンチマークに対してアウトパフォームを達成する能力、パッシブファンドの場合は妥当な価格帯でベンチマークに対してタイトな連動を達成する能力であると言えます。
しかし、「優秀なファンド」ついて語るとき、私たちは一般的にアクティブ運用ファンドのアウトパフォームに焦点を合わせています。投資する証券選択とポートフォリオ構築のプロセスにおいて、独自の分析的な強みや基本的な付加価値を組み込んでいることや、その実績がファンドの過去のパフォーマンスによって実証されていることに注目します。
優秀なパフォーマンスを残しているファンド・マネージャーは、証券選択において自分の強みがどこにあるかを知っており、市場の浮き沈みを計る誘惑を避けながら、一貫性を持ち、その強みに固執する人たちと言えます。そして、このようなファンドに投資する投資家には、市場のサイクルを通じて保有し続け、ファンド・マネージャーの証券選択スキルの恩恵を受けることをお勧めします。

結びに、受賞された運用会社様とファンド・マネージャー様に心よりお祝いを申し上げます。

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