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2021年10月15日
ファンドマネージャーインタビュー リッパーレーティング5ファンド特集~個人投資家の皆様へ~
アセットマネジメントOneグローバル・セキュリティ株式ファンド(3カ月決算型/年1回決算型)


リフィニティブ・ジャパン株式会社
リフィニティブ・リッパー ビジネス開発担当
泉 優花
リフィテニィブリッパーでは、安定したパフォーマンスを発揮しているファンドに対し、収益一貫性という項目でリッパーファンド分類に基づいた5分位評価を付与しています。(詳しくはこちらの記事で解説しています。)
今回は個人投資家の皆様へリッパーからの透明性の高い中立な情報提供として、2015年12月の設定以来、長く安定的にプラスの収益を出し続けているファンドである、アセットマネジメントOneグローバル・セキュリティ株式ファンドについて、ファンドマネージャーの滝口氏にインタビューを行いました。
滝口 圭介氏

アセットマネジメントOne株式会社
マルチマネジャー運用グループ 第1チーム長
現在26社 (2021年9月10日取材) の販売会社での取り扱いがあり、特にコロナショック後、資産残高も増えています。このコロナショックからの1年余りを振り返るとともに、リターンを稼ぎ続ける源泉として「セキュリティ」というテーマの普遍性をご説明いただきました。
個人投資家の方々のファンド選びにも役立つ観点も盛りだくさんとなっております。ぜひご覧ください。
I. ヒストリカルリッパーリーダーズレーティングとは?
リッパーレーティングの過去の詳細を表したのが、ヒストリカルリッパーリーダーズレーティングです。
この度取材を行った、グローバル・セキュリティ株式ファンドのリッパーリーダーズの評価期間5年のヒストリカルのスコアは以下の通りとなっています。
1. ヒストリカルリッパーリーダーズレーティングについて詳しく、グローバル・セキュリティ株式ファンド
2015年12月に設定されたグローバル・セキュリティ株式ファンドでの、評価期間5年のヒストリカルは全10データポイントですが、この全てにおいて同ファンドは最高ランクの5を獲得し続けています。これはファンドの保有期間が5年以上であれば、同一分類におけるリターンの水準は、常に最高ランクを保持できているということを示しています。
グローバル・セキュリティ株式ファンドという名前の通り、このファンドは「セキュリティ」を投資テーマとしたテーマ型ファンドであることが分かります。テーマ型ファンドは保有銘柄のイメージが湧きやすいというメリットがある一方で、時流にのった銘柄が選ばれやすくテーマが陳腐化してしまうことも多くあると一般的には認識されています。
それにも関わらず、なぜグローバル・セキュリティ株式ファンドはこんなにも長期的に安定して高いパフォーマンスを発揮し続けることができるのでしょうか。同社マルチマネジャー運用グループ第1チーム長滝口氏にお話を伺いました。
II. ファンドマネージャー滝口氏へのインタビュー
グローバル・セキュリティ株式ファンドのリッパーリーダーズの評価期間5年のヒストリカルリッパーリーダーズレーティングについて、ファンドマネージャー滝口氏に詳しくインタビューしていきます。
1. 長く安定したパフォーマンスの秘訣とは?
泉:さっそくですが、このファンドはテーマ型ファンドであるにも関わらず、設定来より長く堅調にパフォーマンスを出されています。なぜ長く安定したパフォーマンスを発揮し続けられるのか教えてください。
滝口(敬称略):大きな理由としては2点挙げられます。
一点目は当ファンドの掲げるセキュリティというテーマが一時的なものではなく、普遍的なテーマであることです。このファンドは、“ライフ”、“サイバー”、“モビリティ”という3つの軸から、セキュリティに関連した銘柄に投資を行います。ライフは身体への安全を意味し、医療関連銘柄に投資を行っています。サイバーはその名の通り、サイバーセキュリティです。マルウェアからパソコンへのサイバー攻撃を阻止するためのウイルス除去ソフトを開発する銘柄などに投資しています。最後のモビリティは移動の安全です。昨今は自動運転技術などが進歩し、交通事故を減らすための技術開発なども進んでおり、このような銘柄に投資を行っています。これらの3つの観点からの「安心、安全」は人々が根源的に求めているニーズであり、一時的なものではありません。そのため、さらなる技術進歩や収益性の向上を期待することができます。当ファンドは、50%以上の売り上げをセキュリティ関連事業から得ているピュアな銘柄に投資し、純粋にセキュリティに関してのリターンを得ることをめざした国内唯一の公募ファンドだと自負しております。後述するクレディ・スイスの優れた銘柄選びに加え、純粋にテーマに関連する事業からのリターンを獲得しています。さらに、上記の3つの軸を明確にすることにより、さまざまな業種への投資が可能となるため、保有銘柄の業種分散効果を得ることができ、市場環境が不安定になった時でも下落に強い特性を持つことができます。
二点目は、高度な銘柄選択です。当ファンドは、クレディ・スイス・アセット・マネジメント(スイス)リミテッドの投資助言を活用していますが、スイス連邦工科大学と連携した銘柄選択を行っています。先端技術に対して適正な評価を行うことは、当然ながら専門家でないと難しいと考えます。専門家チームのアドバイザリーボードを社内に設置することで、最新技術を深いレベルで分析をし、投資先を選定できる点はこのファンドならではの強みであると考えています。
当ファンドは、50%以上の売り上げをセキュリティ関連事業から得ているピュアな銘柄に投資し、純粋にセキュリティに関してのリターンを得ることをめざしています。国内唯一の公募ファンドだと思っています。クレディ・スイスのこの優れた銘柄選びに加え、純粋にテーマに関連する事業からのリターンを得ます。
2. 新型コロナウイルス感染拡大のファンドへの影響は?
泉:どうもありがとうございます。確かに、先端技術の価値や成長性などは個人で見通しを立てるのは難しく、専門家に判断してもらいたい一番のポイントです。安心、安全と言えば昨今は新型コロナウイルスに対しての医療的な新技術などが注目されています。新型コロナの影響は、当ファンドにはどのように作用していますか?
滝口:先ほどの3つの軸でお答えすると、まず1つ目のライフセキュリティについては新型コロナによる医療技術のニーズの高まりから、保有銘柄にはプラスに作用しています。具体的な銘柄では、サーモ・フィッシャー・サイエンティフィックは組入れ上位の銘柄です。新型コロナウイルスの構造解明に使用する高度な顕微鏡や、検出を行うための試薬の開発を行っており、まさに現在社会に向けて貢献するとともに、収益を拡大している銘柄です。2つ目のサイバーの軸に関しても、在宅勤務によるサイバーセキュリティのニーズの高まりから、銘柄にはプラスに作用しています。現在新型コロナの影響がマイナスに作用しているのは3つ目のモビリティの軸による銘柄です。新型コロナによる移動の制限がかかっているため、今は耐え時です。しかしながら米国では旅行のニーズが抑えきれず、平常時は1件ずつの旅行予約が一般的であったのに対し、今は数年にわたって複数件の予約を入れる観光客が多くいるそうです。こういった現状から、モビリティの観点においては新型コロナの収束とともに復活の兆しは見えるだろうと推測しています。
3. この1年間のファンドのパフォーマンスはどうでしたか?
泉:2021年の2月頃は、コロナショックの影響から珍しく市況がバリュー相場に転じました。パフォーマンスや保有銘柄に影響はありましたか?
滝口:成長産業への投資となるため、確かにバリュー相場においては一時的にパフォーマンスが振るわなかった場面もありました。しかし株式市場全般に対しては堅調なパフォーマンスを示せたという自負があります。当ファンドの大きなポリシーとして、目先の一時的なリターンにとらわれるのではなく、深い分析により選択した個別企業の成長に対し、成長し続ける限りにおいて持続的な長期的投資を行います。具体的には1つの銘柄に対し10年程度の保有期間が目安となっています。そのため、目標株価などは設定しておらず、新型コロナによる一時的なウェイト変更等も行っておりません。
4. ESG投資のスキームは取り入れていますか?
泉:持続的な長期投資という言葉が印象的でした。安心、安全というテーマは、ESG投資におけるS ”Social”にも通じるテーマであるように感じます。具体的に、銘柄選択においてESGを投資スキームに組み入れていらっしゃいますか?
滝口: ESGの観点においては、ネガティブスクリーニングとポジティブスクリーニングの両方を取り入れています。ESGの観点において極端に悪いことを行っている銘柄は投資ユニバースから除外します。当ファンドは投資すべき銘柄を選定してファンドを組成する、いわゆるボトムアップ手法でファンドを組成していますが、その分析項目の一つにESGの評価項目を加えています。個別企業の抱えるESGの課題はそれぞれです。それらに対し、企業がどういった取り組みを行っているのかを分析し評価を行っています。
5. 今後の見通しを教えてください
泉:どうもありがとうございます。最後に昨今の状況を踏まえて今後のファンドの見通しを教えてください。
滝口:新型コロナウイルスの変異株や、中国不動産大手の債務危機など株式市場全般において、不安材料は残っている状況ではあります。しかし、企業決算を見ると実際にはアナリストの予想を上回ってくるような、ポジティブな決算報告が上がってくることが多々あります。そういった個別企業の強い決算が確実に世界経済を引っ張っていく見通しを感じています。
III. まとめ
今回はリッパーファンド分類に基づいた5年分位評価において、長期的に安定したパフォーマンスを発揮しているファンドとして、グローバル・セキュリティ株式ファンドのファンドマネージャー滝口氏にお話を伺いました。個人のレベルでは実施できない深い分析を用いた銘柄選択と広範な業種への投資が相場スタイルの影響を受けにくく安定した収益を生み出す源泉なのだと感じました。
1. リッパーリーダーズとファンド情報をチェックして安定したリターンを得ているファンドを見つけよう
個人投資家の皆様にとっても、興味深いインタビュー内容になったのではないでしょうか?インタビュアーとして深く印象に残ったのは、当ファンドがESG投資の重要性が叫ばれる以前から、社会的な貢献とパフォーマンスの双方に寄与する銘柄に投資を行っていたという事実です。このように実質的にESGへの貢献を果たしているファンドを個人投資家の立場から探すことはなかなか難しいかもしれません。しかし、リッパーリーダーズレーティングや当ブログの情報などを活用してぜひサステナブルな投資に値するファンドを見つけて頂きたいと考えています。
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※個別銘柄の提示は、銘柄推奨を目的としたものではなく、各ファンドへの組入を示唆・保証するものではありません。
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