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2023 年 6 月 8 日

台頭する ESG 日本株インデックス

ESG 投資とリターンを両立する、“一挙両得”を実現

森敦仁 (サステナブル投資部門 日本代表, FTSE Russell )、広瀬健 (インデックス・インベストメント・グループ日本代表, FTSE Russell )が、シンガポール証券取引所と共同執筆

I. SUMMARY

  • 金融庁による開示ルール強化: 金融庁主導で、ESG 投資に関する「行動規範」と「監督指針」を策定。情報開示ルール強化で透明性の担保を図る。
  • 日本株の ESG 指数が好調: ESG 日本株インデックスの FTSE Blossom Japan インデックスシリーズは、2023 年 3 月期も好調。銘柄選択効果により、代表的な日本株インデックスを上回るパフォーマンスを継続
  • アジアで最も残高の高い銘柄に: SGX FTSE Blossom Japan インデックスフューチャーは過去最高の建玉約 140 億円 (1772 枚) を記録、アジアの ESG 指数先物で最も残高の大きい銘柄のひとつに。

 

II. 日本のESG投資、金融庁主導で開示ルールを強化

金融庁が ESG 投資の情報開示ルールの強化に動いています。2022 年 12 月、金融庁は「ESG評価・データ提供機関に係る行動規範」 (以下、行動規範 )を公表し、さらに 2023 年 3 月には ESG 投信に関する「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」 (以下、監督指針 )の一部を改正しました。FTSE ESG スコアを提供する FTSE Russell も、行動規範の策定プロセスとパブリックコメントに関わり、公表後の 2023 年 2 月には、行動規範の遵守を表明しています。

「行動規範」は ESG 評価・データ提供機関に改善を促すためのもので、「監督指針」には運用会社向けに、顧客が ESG 投資と誤認しないよう交付目論見書に記載することや、投資対象の選定プロセスを開示することなどが盛り込まれました。

ルール強化の背景には、実態がないのに「ESG」をファンドの名称や戦略に掲げ、サステナビリティに配慮した投資をしているように見せている「グリーンウォッシュ」が問題視されていることがあります。それに加えて、ESG 評価のばらつきや整合性への疑義も強まっているのです。
こうしたルール強化によって、日本で行われる ESG 投資に対し、透明性の高いパッシブ投資の必要性と需要がさらに高まると予想されています。

 

III. 日本株 ESG インデックスである、FTSE Blossom Japan インデックスシリーズが大幅にアウトパフォーム

2023 年第 1 四半期は、FTSE Russell を代表する日本株の ESG インデックスである、FTSE Blossom Japan インデックスシリーズが引き続き堅調でした。

また、FTSE Blossom Japan インデックスと FTSE Blossom Sector Relative インデックスが、代表的な時価総額指数である FTSE Japan All Cap インデックスを上回りました。アウトパフォーム幅はそれぞれ +115bp と +136bp となり、ESG インデックスが大きく伸びていることがわかります (図表 2) 。

 

FTSE Blossom Japan インデックス

FTSE Blossom Japan インデックス

図表 2 : FTSE Blossom Japan インデックスシリーズのパフォーマンス要因分析

 

FTSE Blossom Japan Sector Relative インデックス

FTSE Blossom Japan Sector Relativeインデックス

出典: FTSE Russell による 2023 年 3 月 31 日時点のデータです。過去の実績は今後の成果を保証するものではありません。重要な法的開示事項については、末尾をご覧ください。

 

IV. SGX FTSE Blossom Japan 指数先物も好調

SGX FTSE Blossom Japan 指数先物の建玉は今年 3 月に過去最高の約 140 億円 (1772 枚)を記録し、アジアのESG先物の中で最も高い残高を持つ銘柄の一つとなりました。多くの日本企業の権利確定日が3月最終週に集中することから、この期間に取引が増え、機関投資家が配当再投資の先物買いをしていることが伺えます。

多くの機関投資家が注目する ESG 投資ですが、大幅なアウトパフォームを記録している魅力的な投資商品だと言えるでしょう。では、なぜアウトパフォームしているのか。
専門家による要因分析や、FTSE Blossom Japan インデックスシリーズの詳細なファクター分析については、以下のページよりダウンロードしてご覧ください。

 

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