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2022年5月19日
外国為替取引とは?セントラライズによるメリットとデメリットを詳しく解説

外国為替取引において、為替レートの変動は常に注意を払うべき事柄です。特に、今日のように世界的に不確実性が高まる環境では、機を逃さない対応が求められます。
しかし、そのような取り組みには限界もあるでしょう。そこで、リスク対策の方法のひとつとして注目されているのが、外国為替取引のセントラライズです。
ここでは、外国為替取引をセントラライズすることのメリットとデメリットについてお伝えします。
I. 外国為替取引のセントラライズとは?
外国為替取引において、さまざまな条件を仕分けながら、最適な流動性にアクセスする手段を持ち、最良の執行を実現することが強く望まれます。そのためにも、例えば、「最も流動性があるけれど、取引コストが割高になる」といったことがないように、リスク管理やTCA(取引コスト分析)など、複雑に絡む問題も解決しなければなりません。
こうしたことに対処し、均一で高品質な対応をするには、テクノロジーの力が欠かせないでしょう。コンプライアンスを遵守しながら生産性を上げるためには「外国為替取引にはシステム化の道しかない」との声も聞かれます。
その上で、例えば、ロンドンやニューヨーク等で行なっている取引を東京に集約するような「セントラライズ」が実現できれば、自動化や合理化、効率化に繋がると考えられます。
また、ひとつのホールディングスの傘下に複数の銀行が存在する場合、それぞれが自らディーリングルームを設けてインターバンクで取引するよりも、為替を得意とする銀行にトレーディング機能は集約(セントラライズ)し、その他の銀行はそれぞれが得意な取引に注力する、というのは効率的で理にかなっていると言えるでしょう。
II. 期待できるメリット
取引の数や量が多ければ多いほど、規模の経済原理に従いセントラライズによるメリットが生まれやすいと考えられます。例えば、自行で受けたオーダーでできるだけ多くのポジションを相殺し 、不足分のみをインターバンク市場で調達すれば、手数料や取引にかかるあらゆるコストの低減に繋がる、というわけです。
また、新しい収益機会の開拓も見通せるかもしれません。他の金融機関は非金融機関の外為決済に際して多通貨同時決済(CLS決済)のエージェントとなるサービスのための装置産業化や、簡単な取引を機械化することでヒューマンエラーを削減し、トレーダーに高い専門性と収益性が見込める仕事に集中させる、といったリソースの最適なアロケーションにも繋がるでしょう。
さらに、「ある拠点で取引業務に突発的な問題がだ生じた」といった事業リスクに直面した場合、システム的に拠点間の連携させた結果セントラライズがなされていれば、回避できる可能性も高まると考えられます。つまり、BCP対応にも結びつく、ということです。
III. 想定されるデメリット
セントラライズのメリットには、コスト削減や新たな収益機会の創出、BCP対応等が挙げられますが、期待するメリットを得るにはいくつかのハードルを越える必要があるでしょう。
例えば、どのようなサービスやソリューションを導入するとしても、システムの選定条件の洗い出しや選定基準の策定、比較検討、導入の対応や利用者へのトレーニングといった一連のコストが生じます。また、利用のための初期・継続コストも当然ながら必要です。
V. まとめ
今日、金融機関でも時代や社会の変化に合わせた収益化の再検討がなされています。また、人材不足の問題や規制対応、場所にとらわれないニューノーマルな働き方の実践など、足元の変化への適応も待ったなしの状態だと言えます。そのような状況を鑑みると、テクノロジーの活用は避けては通れないと理解できます。
一方、「取引回数等を考えるとデジタル化は難しい」「デジタル化のコストとリソースがかかりすぎる」といったこれまでの課題が解消されるケースも増えていることで、金融DX(デジタルトランスフォーメーション)の実践について検討しやすくなっていると言えます。自行ではどうなのか? 過去の検討結果にとらわれずに再考することは十分価値あることだと考えられます。今日、金融機関でも人材不足の問題や金融DX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性の高まり、規制対応や場所にとらわれないニューノーマルな働き方にふさわしいテクノロジー環境の整備など、導入規模に応じて多種多様な課題が浮き彫りになっています。
Refinitivでは、詳細な金融市況データや幅広いニュース、分析、外国為替の取引ツールなど外国為替取引業務に必要なあらゆるサービスをひとつにした Workspace (ワークスペース) を提供することで、ワンアクセスですべての業務を円滑に進められる環境の創出と、安定的な取引をサポートしています。
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参考文献
Refinitiv : LSEG Workspace (ワークスペース)
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