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2022年2月9日

投資信託とは?メリットとデメリットを詳しく解説

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リフィニティブ編集チーム

投資信託とは、一人ひとりの投資家が、①ご自身の資産の中から適切な予算、②正しいリスク判断、③ご自身の信条等に基づいたファンド選び、といった“軸”をもとに、最も共感できる投資先にほかの投資家と一緒に投資し、資産形成をしていく取り組みです。

投資信託にもいくつかの種類があり、株式を組み入れて運用する投資信託もあれば、債券[KN1] を中心に運用するものもありますし、一定額を毎月積み立てていく(=毎月一定額で買えるだけの口数を増やしていく)「積立型投資信託」もよく知られています。

いずれのタイプでも、投資信託で考えられるメリットとデメリットを把握し、自信を持って資産運用・資産形成を行なうようにしましょう。

I. 投資信託のメリット
投資信託のメリットは大きく4つが挙げられます。ひとつずつ、詳しく見ていきましょう。

1. 少額から始められる

株式にしても債券にしても、「いままさにリターンが生まれている」「この先将来性が見込める」といった銘柄は評価が高く、それだけ一株(一口)あたりの金額は高いものです。また、購入できる最低株数が決まっている場合もあり、まとまった資金がなければ始まらない、というケースが少なくありません。また、市場の影響を受けて価格が変動することが常でもあります。つまり、投資を始めようとすると、「投資のための資金を準備する必要がある」、「どのタイミングで、どれだけ購入するか見極める必要がある」という課題にぶつかるというわけです。

これに対し、投資信託は、あるファンドに対して「投資したい」という人をより多く集めて資産をひとつにまとめ、株式や債券、デリバティブなどで運用していくので、少額で投資を始められるといえます。

この時、ファンドの中身がどういったもので構成されているのか確認することで「自分ひとりでは投資できなかったけれど、投資してみたいと考えていた先」に投資できるかどうか、確認しておくと、より充実感のある投資につながると考えられます。

2. 専門家が運用するため、日々の金融市場の動向等を注視する必要がない

株や投資が難しいものだ、と言われる理由のひとつに、株式市場が世界中の出来事の影響を大いに受けるからだ、というものが挙げられるでしょう。

日々の仕事や生活の合間を縫って、遠く離れた海外の国々の動向を隈なくチェックしたり、それによって投資先の企業にどのような影響が及んで株価が上がるか下がるか、を想定し、運用先を変更する…というのは現実的とは言えないでしょう。

そうした「自分ひとりではできないこと」をお任せできるのも、投資信託のメリットのひとつだといえます。

3. 投資対象のデューデリジェンスやスクリーニングを自ら行なう必要はない

一般的に、デューデリジェンスとは、相手先企業の財務状況や将来性、今後損失になりうる事柄や法的なリスク、反社会的勢力との繋がり等を詳細に確認する一連の作業だといえます。主にM&Aや事業承継といった企業の大転換期に行なわれることが多く、実践するには多くのコストとリソースがかかります。

一方、スクリーニングはその“簡易版”といったところで、相手企業の中にネガティブ/ポジティブな条件に当てはまることがないか確認し、健全性をチェックしていきます。頻度としてはデューデリジェンスよりスクリーニングを実施することの方が多く、一定のサイクルや何らかのイベントがきっかけで行なわれることが多いものです。

加えて、最近は非財務面でのデューデリジェンスも積極的に行なうよう推奨されています。例えば、気候変動や労働搾取・児童労働、環境破壊や野生動物の売買など、人権侵害や環境破壊等につながることを企業が行なっていないかを確認する「人権デューデリジェンス」の実践は徐々に“当たり前”になりつつあります。

このようなプロセスを踏んで、「投資しても問題ないか?」を確認することは、やはり一投資家にできることではないと考えます。こうしたことも含め、プロに任せられるのも、投資信託のメリットだといえるでしょう。

4. ファンドを選ぶ際に投資家としての意思を反映することができる

ファンドの内容は極めてバラエティに富んでいて、詳しく見ていくと興味を惹かれるものが多々あります。

冒頭で少し触れた、債券 を中心に運用する「公社債投資信託」や株式を含んだ「株式投資信託」だけでなく、個別のファンドの中にはメディカル領域に限定して投資するとうたっているものや、「世界中の鉄道に投資する!」と宣言しているもの、エコや自然環境に配慮して活動をしている企業を対象としたものも最近は多く見られます。

つまり、ファンドの中身を見ていると、リスクやリターンの高低だけでなく、「自分もこの分野を応援したいと思っているから、ここに重点的に投資しているこのファンドを選ぼう」や、「社会課題に興味があるからこのファンドに共感する」といった目線でファンドを選べるということに気が付きます。そうした「ちょっと変わった切り口でのファンド選び」で、ある程度自分の意見や意思を反映して資産運用をするのも検討に値するでしょう。
 

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II. 投資信託のデメリット
前述で投資信託のメリットを挙げましたが、当然ながらデメリットもあります。以下に整理してみました。

1. 分配される配当は運用益から手数料を差し引いた金額である

投資信託の場合、ファンドを購入すると、売買のタイミングで売買手数料と購入金額に応じた信託報酬が必要になります。このうち信託報酬は、自動的に購入後の運用残高から差し引かれる仕組みになっています。これらの手数料はファンドごとに設定されているので、事前に確認することを強くおすすめします。

リッパー・レーティングには手数料等の経費の高低を示す「経費率」という項目があります。いくつかのファンドの中から選択する際、ファンドを比較し、この項目でコストが低いファンドを探すようにするとデメリットを小さくすることに貢献するはずです。

他方、冒頭で示した「積立型投資信託」の場合、一度に購入するのではなく、コツコツと毎月定期預金に貯金するようにファンドを購入していくので、購入時に毎回売買手数料が発生する場合があります。

ただ、最近では「ノーロード」といって、購入時の売買手数料がかからないファンドも増えています。そのため、「積立型投資信託」を行なう場合はノーロードのものを優先して検討するのも選択肢のひとつになり得ます。

 

2. 投資先の選定はできない

一般的に知られている株式投資(個別株投資)の場合、「この企業の株を得たい」あるいは債券であっても「この国の債券がほしい」というように、ダイレクトに選択することができます。

しかし、投資信託の場合、「国内株/世界株のうちパフォーマンスがいいもの」や「IT関連株のうち成果が出ているもの 」といったように、投資対象となる銘柄が必ずしも固定されてはいません。そのため、極端に言うと「自分はこの企業をあまり支持していないけれど、結果的に投資することになった」ということも起こりえます。

だからこそ、ファンド選びは慎重に。むしろファンドを詳しく知って選ぶことで、投資家としての意思をある程度反映できるようにしたいですね。
 

3. プロに任せても必ずプラスになるとは限らない

投資信託について、「金融市場での運用のプロを信じて託せるから」という理由だけこれを始めようとする人も少なからずいると聞かれます。確かにプロに任せることで、成果を得る可能性は高まるのだと考えられます。しかし、例えば昨今のコロナ禍のように世界中の誰もが体験したことがない状況になれば、金融市場がどのような動きになるか予測することは極めて困難です。

そうした大きなインパクトに限らず、金融市場は常に流動的で予測が難しい環境だといえます。「必ず運用益が得られる」というわけではないことをしっかりと理解しておきましょう。
 

4. 運用会社とコミュニケーションできる機会は限られている

投資信託は、「どのような意図でファンドを組成しているか」ということと、「運用会社の金融市場を見る目利き力や将来性を分析して見通すスキル」が成果のカギを握るといえます。そのため、「実際に運用している人や会社のことをより詳しく知りたい」と考える人もいるかもしれません。

ただ、バイセルサイドである証券会社や銀行と違い、運用会社と投資家が直に接する機会は極めて少ないのが現状だといえます。

 

III. まとめ
「資産はひとまとめにしてふやそうとせず、分散投資をしたほうがリスクを低減できる」という考えのもと、貯蓄から資産形成に意識を向ける人が近年増えるようになりました。

実際に、 株式や債券、REITRITE、デリバティブはそれぞれ違った値動きをするので、資産を振り分けることで「どれかの成果が振るわなくても、どれかが良い」といった状態が期待しやすくなります。また、開始・終了のタイミングを分散させることで「高値掴み」や「価値の下落」の影響を受けすぎないように対応できる場合もあります。

加えて、海外には将来有望な企業が多いものの、“言語の壁”で投資を諦めていたという人などは、専門家の助けによって「自分だけでは難しい資産運用の選択肢」を持つことができるといったさまざまなメリットが知られるようになり、「投資信託から資産運用をはじめてみよう」という動きが活発になっています。

ただし、繰り返しになりますが、投資信託にもデメリットはも存在します。本稿で記載したメリット・デメリットを皮切りにより理解を深め、どうやって資産をふやせばいまの生活も老後の人生も豊かになるか、考え、確かめ、実践していきたいですね。

Refinitivでは、そうしたニーズに応えるべく、公平な投信評価を実現する Refinitiv Lipperの提供によって、選ぶべき投資信託のデータ を提供することを通じて、投資家のみなさま、ひいては社会全体が成長による富の分配を得られるような環境づくりに貢献しています。
 

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