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日本語版 リスクニュースレター

コンプライアンスInSight 

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コンプライアンスInSight 2021 春号

ESGコンプライアンス実践に求められる複合的なリスクへの対応力

日本において「ESG」という言葉が注目されたのは、2014年にGPIFが国連責任投資原則(UNPRI)に署名した頃だろう。

当時は「一過性のブームにすぎないのではないか」との見方もあったが、近頃はその言葉を聞かない日はないほど浸透し、すでに実体経済に組み込まれていると言えるまで存在感を高めている。この背景には様々な要因が挙げられるが、グローバル市場、とりわけ欧州での“ESGファースト”な考え方が大きく影響していると言えるだろう。主要証券取引所においてESG情報開示を上場企業に義務化している点などからも、その注力ぶりが伝わってくる。世界的にも、もはや、業績に代表される財務情報だけで企業の価値を判断することは“時代遅れ”になりつつあり、ESGに取り組む理由は「自社の社会的責任に基づいた取り組みや姿勢を示すため」だけではなくなっていると言えそうだ。

さらに、今日では「ESG要素への対応は、企業がこれまで向き合ってきたコンプライアンス・ガバナンス対応の内容とオーバーラップする」との考え方も定着し始めている。要するに、気候変動対策や環境保全などを示すE(Environment:環境)の要素、ダイバーシティの達成や誠実な労使関係の実現、人権問題への対応といったS(Social:社会)の要素、組織の健全性や透明性、公平性などを示すG(Governance:ガバナンス)の要素は、サプライチェーン・リスクや贈収賄、不当競争や人権に関わるコンプライアンス領域の事柄と密接に結びついており、それぞれの分野での不祥事は、企業価値の損失や不買運動のようなダメージだけでなく、何らかの法令違反と制裁金や罰金に結びつく、というわけだ。そう考えると、ESGコンプライアンスの推進は、これまで行なっていた“個別・縦割り”のコンプライアンス対応に横串を刺して一貫した対応をとることだ、とも言い換えるだろう。

では、そのような重要かつ複合的な課題をどう整理し、対応していけばいいのか?