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知りたい投信 なるほどリッパー : 2022年9月8日

8月までの投資信託の資金動向

リッパーの推計によると、2022における日本国内の公募株式オープン投資信託市場には、引き続き資金が集まり、流入超過は21カ月連続となった。ETFを除く公募株式オープン投信は32カ月連続の流入超過。国籍別では、7月に純流入に転じた米国籍ファンドが、2ヵ月連続で流入超過となった。

リッパーの推計によると、2022年8月における日本国内の公募株式オープン投資信託市場には、引き続き資金が集まりました。流入超過は21カ月連続です。ETF(上場投資信託)を除く公募株式オープン投信は32カ月連続の流入超過。国籍別では、7月に純流入に転じた米国籍ファンドが、2ヵ月連続で流入超過となりました。では詳しく見ていきましょう。

I. ETFに頼らずとも高水準の資金を集めた投資信託

2022年8月の国内の公募投資信託市場は、引き続き流入超過となりました。ETFを除く公募株式オープン投信は5,268億円の純流入、ETFを含めた集計では2,485億円の純流入です。ETF以外の一般のファンドが資金を集め、ETFからは資金が流出している格好です。

1~8月までの累計は、ETFを除くベースで5兆円を超える純流入。ETFを含めると2,355億円の純流入という低水準で、今年はETFから資金が流出していることがわかります。公募株式オープン全体の純流入額の95.7%をETF以外のファンドへの資金流入が占めています。

データをさかのぼることができる2003年以降の資金動向について、1~8月の累計を年ごとに比較すると、今年は、近年の中では特に、一般のファンドへの資金流入が高水準です(グラフ1)。8月までの累計で、ETFを除くベースでの純流入額が9割を超えたのは2011年以来です。「アベノミクス」の下での金融政策によるETFへの資金流入は、日本銀行が2021年3月にETF買入政策を変更。今さらながら、影響の大きさを感じました。

ただし、政策でETFを買わなくなったにもかかわらず、投信市場への資金流入が続いています。最近の傾向は、ひと昔前とは明らかに違う感触です。以前なら、政策の転換と同時に市場もしぼんでしまっていたことでしょう。

II. 新規設定で「債券型 転換社債 グローバル」が多額を集める

投資対象別では、珍しい景色になりました。国内で販売されている投信の資金フローを、リッパーの投資対象別分類で集計すると、8月は「債券型 転換社債 グローバル」が純流入額2位になりました。

純流入額ランキングで10位以内に入ったのは25ヵ月ぶりです。7月まで24カ月連続で純流出でしたが、8月は807億円を集めました。8月に新規設定した同分類の投信(同一の投信で、為替ヘッジあり・なしの2コース)が多額を集めたことが要因です。

ただし、この投信は「限定追加型」で、8月のうちに募集期間を終了しているため、今後の資金流入はありません。とはいえ、世界的にリスク資産に対して見方が分かれ、比較的リスクを抑えた運用を求めるムードが続くのであれば、転換社債を運用対象にする投信への注目は高まるのかもしれません。

他の分類では、相変わらず「株式型 米国」が絶好調。8月まで15カ月連続純流入額トップで、「株式型 日本」は2ヵ月連続の純流出トップでした。主要な投資対象分類の1~8月の資金フロー累計は、(グラフ2)の通りです。

III. 個別では、インデックスファンドが引き続き資金を集めている

個別のファンドでも、1~8月の資金フローを累計しました。純流入額、純流出額のそれぞれ上位5銘柄は、表の通りです。多額の資金が動きがちなラップ専用投信、および確定拠出年金専用投信を除外しています。参考までに、各ファンドの『Refinitiv Lipper』投信評価も掲載しています。

表で示した5銘柄以外でも、インデックスファンドへの資金流入が引き続き安定して好調だったようです。

IV. 流入超過に転じた後、2ヵ月連続で資金を集めた米国籍ファンド

グラフ3は、2022年8月までの3ヵ月間における、ファンドの国籍別の資金動向です。ファンドの時価総額が大きい国籍について、上位10の国・地域を掲載しました。国や地域により市場規模に大きな差があるため、純資産に対する資金フローの割合を、グラフ中では黄色のひし形で示しています。

今年4月から6月まで多額の流出超過だった米国籍ファンド。7月に純流入に転じた後、8月も純流入となりました。反対に、日本国内のファンドは、純流入額が徐々に減少しています。国内といっても、投資対象は米国株のファンドに資金が集まり、日本株のファンドは多額の資金が流出しているのは、少し寂しい感じがします。