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- 2022年3月11日掲載 : 毎月分配型が再び静かなブーム 「予想分配金提示型」に資金流入
知りたい投信 なるほどリッパー : 2022年3月11日
毎月分配型が再び静かなブーム 「予想分配金提示型」に資金流入
最近、資金を集めている「予想分配金提示型ファンド」について解説した。また、以前、人気だった「毎月分配型ファンド」の現在についても解説した。
毎月分配型が再び静かなブーム 「予想分配金提示型」に資金流入
少し前まで話題だった「毎月分配型」の投資信託は、今どうなっているのでしょう。実は、以前と違うタイプが静かなブームです。以前の人気が失われた理由は、一部の投信で、運用の利益が出なかった場合でも、無理に収益分配金を出しているという指摘があったため。「タコ足配当」と呼ばれ、タコが自分の足を食べるように元本を取り崩して投資家に配当していたケースもあったのです。
毎月分配型のブームを振り返ると、残高、本数が最も多かったのは、それぞれ2015年の5月、8月。年末基準の左下グラフでは、2014年末がピークです。ところが、いったん下火になっても、別のタイプの毎月分配型が登場し、入れ替わりで資金が集まります。右上グラフは、各タイプの代表的な投信の資金動向。折れ線グラフは、プラスなら資金が入っています。
先進国の債券で高い分配金が出せなくなって解約が相次ぐと、新興国の債券で運用するものや、不動産投資信託(REIT)の高い利回りで運用するリート型へ資金がシフト。新興国の通貨で高収益を狙って分配金を出す「通貨選択型」というタイプも登場したものの、仕組みが複雑でハイリスク。コストも高く長続きしませんでした。
現在は、「予想分配金提示型」と呼ばれ、運用成績に応じて分配金の額を決める毎月分配型が資金を集めています。決算時の基準価額に応じて、あらかじめ分配金の額が決められており、運用成績によって分配金の額が変わります。基準価額が高ければ分配金が多く、下がれば少なくなります。従来のタイプと違い、投資対象は成長株や米国株が主流です。
「毎月分配型投信は、人気があるのだなあ」というのが私の感想です。毎月分配型は、いろいろ言われてきたのに、やっぱり根強い人気があるようです。好みは分かれますが、商品性を正しく理解し、自身の投資方針に合うなら、その人にとっては適した商品なのかもしれません。
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担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
Refinitiv(リフィニティブ)はロンドン証券取引所グループ(LSEG)傘下の金融情報提供会社です
【図】
毎月分配型の人気の移り変わり
毎月分配型の残高は2018年頃から下げ止まっている