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知りたい投信 なるほどリッパー : 2021年12月31日

1ドルの値段はいくら? 円高・円安はシーソーで考えよう

円とドルの例を使い、為替レートについて詳しく解説した。リスク分散のために世界に投資する場合の注意点についても説明した。​

1ドルの値段はいくら? 円高・円安はシーソーで考えよう

■高校生向け 資産形成がわかる

海外との行き来はまだ難しい状況ですが、為替(かわせ)のお話をしましょう。「今日の外国為替市場は1ドル=××円」とニュースで耳にしますね。これは、日本円と米ドルを交換する比率の「為替レート」のこと。「外国為替市場」は業者同士の交換所で、ユーロなどほかの通貨も取引されます。

例えると、為替レートは二つの通貨のシーソー。片方の力が強いと傾きます=イラスト。日本はアメリカと経済的な結びつきが強いので、円とドルで考えましょう。

通貨の強さは、その国の金利や経済力、政治の安定性、生活の安全性などで決まります。「円安」と「ドル高」は表裏一体なので、単に「円安」と呼ぶことも。例えば、1ドル=100円から時間が経過し、1ドル=120円になったら「円安が進んだ」と言います。いくらから円安という基準はなく、高いか安いかは、ある時点のレートと比べて決まります。

ところで、100円から120円へ数字が大きくなるのに「円安」って言うのは不思議ですね。米国への海外旅行で説明します。

準備するお金を1000ドルとしましょう。1ドル=100円なら10万円。1ドル=120円では12万円が必要です。同じ1000ドルに交換するのに2万円余計にかかるので、1ドル=120円の方がドルより円が弱い「円安」です。

帰国する時はどうか。余ったお金が100ドルあり、空港で1ドル=100円の日に両替したら1万円。もし1ドル=120円なら1万2000円です。ドルから円に替える場合は、1ドル=120円の方がうれしいですね。持っているドルの価値が高く、円が安いので、受け取れる円が多くなります。

円高・円安は、いろいろな場面で影響します=表。資産形成をするなら、国内だけより世界へ投資先を広げた方がリスク分散できます。円高の時に日本から米国へ投資し、ドル高の時に米国から日本へ戻すと有利になりますね。

担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
Refinitiv (リフィニティブ) はロンドン証券取引所グループ (LSEG) 傘下の金融情報提供会社です

【図】
為替レートは二つの通貨のシーソー
こんな場面で円高・円安はどう影響する?