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- 2022年2月25日掲載 : 1月の資金動向 下落の日本株に大規模な資金流入
知りたい投信 なるほどリッパー : 2022年2月25日
1月の資金動向 下落の日本株に大規模な資金流入
1月の投資信託の資金動向を振り返った。株式相場は大きく下落したが、投資信託には資金が集まった。特に、日本株で運用するファンドに多額の資金が流入した。一方、グローバルのリート投信は18か月連続で資金純流出となった。
厳しい幕開けの1月の運用成績 長期投資は資産下落も学びの好機
2022年に入り、世界の株式相場は大きく下落。下げ相場に不安を抱く個人投資家のみなさんも少なくないと思いますが、今回の下落では意気消沈することなく、投資信託に資金が集まりました。
国内の投資信託市場は、リッパーの推計で、上場投資信託(ETF)以外の公募株式オープン投信が1月までに14カ月連続の純流入。ETFを含むと25カ月連続の純流入となりました。ETFを除く1月の純流入額は9116億円で、昨年から続いている月間1兆円程度の資金流入の流れは変わっていません=左下グラフ。
投資対象分類別では、米国株式で運用する投信が引き続き資金を集め、8カ月連続で分類別純流入額トップです。純流出額がもっとも多かったのは、円建て債券で運用する投信でした。
分類別の純流出額2位はIT(情報テクノロジー)株の業種別投信、3位がコミュニケーション・サービス関連株の業種別投信。この2分類は、先週お伝えした1月の運用成績でも、月間下落率の1位と2位となっています。業種別投信には旬のテーマに沿った投信が多く、個別株のように比較的短期の売買に利用される側面もあります。
今回、以前の下げ相場と違っていたのは、日本株で運用する投信に資金が集まったことです。なんと、1月だけで、昨年1年分に相当するほどの純流入額がありました=右上グラフ。
このグラフは、1月に純流入となった分類が、昨年1年間に比べてどの程度の金額を集めたかを示しています。不動産投資信託(REIT)を投資対象にするリート投信は、日本、北米、グローバルの3地域ともに、昨年の累計が純流出だったので算出できません。そのためグラフには現れていませんが、米国と日本のREITを投資対象にする投信は、1月に純流入に転じました。
一方、グローバルのリート投信は資金流出が止まりません。1月の純流出額は主要分類の中で4位、18カ月連続の純流出となっています。
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担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
Refinitiv(リフィニティブ)はロンドン証券取引所グループ(LSEG)傘下の金融情報提供会社です
【図】
日本株投信は1月だけで昨年1年間とほぼ同じ資金を集めた
株価が下落した1月も純流入は1兆円に迫る高水準