知りたい投信 なるほどリッパー : 2021年8月13日

夏休み集中講義 : 2 ~みんなで経済回してる つながれ!お金の流れサラサラで 

高校生向けに資産形成や資産運用について説明する「夏休み集中講義」の2回目。買い物や仕事などの個人の経済活動が、企業と政府とどのようにつながっているのかについて、分かりやすく説明した。

夏休み集中講義 : 2 ~みんなで経済回してる つながれ!お金の流れサラサラで

■高校生向け 資産形成がわかる

みなさんは、「経済」や「金融」をどんなイメージで考えているでしょうか。「なんだか難しいもの」という答えが返ってきそうですね。でも、みなさんの生活は、すべて経済につながっています。その経済の一つ一つをつないでいるのが金融なのです。

国内の経済の担い手は、「家計」「企業」「政府」の三つです。そう、私たちの暮らしは「家計」として、経済の中でとても重要です。

家計の主な経済活動は、ショッピングや仕事です。企業が売るモノやサービスを買い、代金を払います。企業で働いて、給料を受け取ります。商売をして、お客さんからお金をもらいます。その収入の一部を、税金や社会保険料として政府に納めます。それが私たちの生活や企業の活動を支える公共サービスに使われるのです。

三つの経済の担い手は、お金の流れでつながっています。金融は「お金を融通(ゆうずう)する」という意味で、「経済の血液」とも言われます。身体が健康な状態を「血液サラサラ」と呼ぶことがありますね。経済でも同じです。お金がスムーズに流れていると、健全な経済活動と言えます。

イラストは、この流れを示しています。家計、企業、政府は、お金を介してつながっているのです。働きたい人が希望する仕事に就いて、給料を受け取り、必要なものを買いそろえられれば、暮らしは安定します。企業が、モノやサービスを適切な価格で販売して利益を上げれば、従業員にきちんと給料を払うことができます。収入を得た人や企業は、税金や社会保険料を納め、政府は公共サービスを行います。

このつながりの中で、企業や家計の収入が減ると、お金の流れが詰まってしまいます。企業が従業員に給料を払えず、家計は買い物を控え、企業の利益はさらに落ち込みます。政府に納める税金も減り、公共サービスが十分でなくなります。経済が元気で、お金がサラサラ流れる状態を保つことは、暮らしを守ることでもあるのです。

高校で学ぶ金融や資産形成の知識は、みなさんが、お金を賢く使ったり、将来のために蓄えたりする知識です。これらを正しく学べば、自分の財産が増えるだけでなく、経済の役割も果たせます。たとえば、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む企業の株式や債券を買うことで、みなさんのお金はSDGsの達成にも役立ちます。

次回8月20日は、みなさんのお金が、社会の中でどのように役立つのか、詳しくお話しすることにしましょう。

担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
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