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知りたい投信 なるほどリッパー : 2021年7月16日

6 月末の純資産総額 残高 1 兆円超の巨大投信も登場

6 月末の純資産総額について分析した。国内で販売されている投資信託の純資産総額が、過去最高となり、残高 1 兆円のファンドも 3 銘柄に増えた。基準価額の上昇と個人投資家の資金増加により、投資信託の純資産総額は上昇傾向が続いている。

6 月末の純資産総額 残高 1 兆円超の巨大投信も登場

 国内で販売されている投資信託の純資産総額が、過去最高の残高です。2021年6月末時点で、MMF(マネー・マネジメント・ファンド)を除いたオープン投信の残高は、142.2兆円でした。昨年12月末の125兆円から17.2兆円の増加で、8カ月連続で最高額を更新しています。6月末の株式オープン投信の残高は、141.6兆円でした。こちらも8カ月連続で残高の最高額を更新しています=グラフ。一方、公社債投信は、昨年末に比べて純資産総額が減少しています。

 個別の投信で純資産が1兆円を超えている、いわゆる「1兆円ファンド」は、3銘柄に増えました=表。

 5月末までは「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)」だけでした。昨年7月に設定したこの投信は、今年1月末の時点では残高3位。純資産総額が9252億円でした。2月末に9966億円に増やして1位に浮上。3月末に1兆円の大台に達した後、5カ月連続でトップを維持しています。

 20年12月まで21カ月連続で残高トップだった「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」は、今年1月に「グローバル・プロスぺクティブ・ファンド(日興)」に1位の座を譲り、6月末時点では残高4位です。

 純資産総額が増える要因は二つです。一つは基準価額の上昇。もう一つは投資家の購入による口数の増加です。純資産総額は、この二つの掛け算です。

 投信に組み込まれている資産が値上がりすれば、基準価額が上昇し、純資産は増加します。また、その投信を投資家が新たな資金で購入すれば、総口数が増え、こちらも純資産の増加につながります。定期的にお伝えしている投信の資金動向は口数の増減にあたり、純資産残高に影響を与えるわけです。

 ワクチン接種が広がり、経済活動の回復期待が膨らんでいるため、株式や外貨建て証券などが値上がりしました。その結果、投信の運用資産も膨らみ、基準価額を押し上げました。また、将来の生活資金準備や、投資への高い関心によって、投信に個人投資家の資金が集まっています。基準価額の上昇と投資家の資金流入が両輪となって、投信市場全体の純資産総額の増加傾向が続いています。