知りたい投信 なるほどリッパー : 2021年12月24日

知らないと怖い金利の仕組み 雪だるま式に膨れあがることも 

金利の仕組み、単利と複利の違いなどについて、例を用いて詳しく解説した。

知らないと怖い金利の仕組み 雪だるま式に膨れあがることも

お金と上手につき合うために知っておきたい知識の一つに「金利」があります。高校生の友だち同士、お金を貸し借りするのは感心しませんが「利子をつけて返してよ」なんて、冗談を言い合うことがありますよね。利子は、利息ともいい、お金の貸し借りに必要な手数料のようなもの。貸した人が、借りた人から受け取る「お金のレンタル料」と考えてもよいでしょう。

「預けるお金」と書きますが、預金は私たちが銀行にお金を貸すことです。だから銀行から利子がもらえるのです。預金に対する利子の割合を「金利」と呼びます。金利は、とくに断りがなければ1年あたりの利率で表し、これを「年利」といいます。

例えば年利1%なら、100万円の元本に対して、1年で1万円の利子がつきます。預金やローンの期間が違っても比較しやすいように、金利は年利に換算するのが一般的。6カ月の定期預金の金利が年利1%だとすると、100万円を預けると利子は5000円です。1年で1万円の利子は、半年だと半額だからです。ローンの金利も、基本的には年利で表示されます。

利子の計算方法には「単利」と「複利」の2タイプがあります=表。単利の利子は、元本に利率をかけて金額を計算します。一方、複利は、ついた利子をその都度元本に加えます。次の利子もまた次の元本に含めて計算し、加えた利子の分、元本がドンドン大きくなるので、同じ利率でも利子は多くなります。1年後に利子を元本に加えるのは年複利、半年ごとに加えるのは半年複利です。

表の例は、単利も複利も利率1%ですが、複利の場合、利子は3年間で3万0301円。元本100万円の3.0301%です。これを3年で割った年平均利回りは、約1.01%です。利回りは、元本に対して最終的に増えた金額の割合。複利では雪だるま式に元本と利子(元利)の合計が増え、年利1%より高い年利回りになるのです。

単利と複利では、期間が長いほど元利合計の差が開きます。また、利率が高いほど、差は大きくなります=グラフ。そしてこれは、お金を借りる場合の利子でも同じこと。複利のローンでは、返済する総額が怖いほど膨らんでしまうので注意しましょう。

担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
Refinitiv (リフィニティブ) はロンドン証券取引所グループ (LSEG) 傘下の金融情報提供会社です

【図】
単利と複利の違い/わずかな金利差でも先に行くほど効いてくる