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- 2021年9月17日掲載 : 8月までの資金動向 高値圏の米国株投信に資金流入
知りたい投信 なるほどリッパー : 2021年9月17日
8月までの資金動向 高値圏の米国株投信に資金流入
8月までの資金動向について考察した。ETFを含めた流入額は6367億円と、20ヵ月連続の純流入だった。内訳を見ると、ETFから資金が流出し、投資信託への資金がETFを上回った。特に、米国株の投信、IT株関連、RIET投信が資金を集めた。
8月までの資金動向 高値圏の米国株投信に資金流入
2021年8月の国内の投資信託市場には、引き続き資金が集まりました。リッパーの推計では、上場投資信託(ETF)以外の公募株式オープン投信に6518億円が純流入。流入超過は9カ月連続です。ETFを含めると6367億円の純流入で、20カ月連続の流入超過でした。これらの差額でETFから資金が流出したことがわかります。
1~8月の累計は、6年ぶりにETF以外の投信がETFを上回りました=折れ線グラフ。この逆転は、3月の日銀金融政策決定会合でのETFの買い入れ方針見直しと、ETF以外の投信に資金が集まったためです。この期間の純流入額5.7兆円も、6年ぶりの高水準です。
横棒グラフは、今年1~8月の純流出入額トップ5位の投信です。純流入1位の「グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンド」は、4月に設定された後も資金を集めています。純流入上位に米国株の投信が並び、分類別でも米国株投信は3カ月連続で純流入額トップです。8月まで米国株式市場が断続的に高値を更新し、流れに乗って資金が集まったと考えられます。
純流出入額の累計上位には、ラップ専用投信が名を連ねています。ラップ口座は、投資家の資産運用を金融機関に一任する取引口座。スイッチング(乗り換え)などで大勢の投資家の投信を一度に解約した場合、目立ってしまいます。ほかには、情報技術(IT)株で運用する投信や日本のリート投信の純流出額が多かったようです。
担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
Refinitiv(リフィニティブ)はロンドン証券取引所グループ(LSEG)傘下の金融情報提供会社です
【図】
ETFに頼らずとも資金が集まる投信市場
資金純流出入額ランキング(2021年1~8月)