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知りたい投信 なるほどリッパー : 2022年2月11日

国際分散投資の中身を確かめよう 「世界」と言っても米国株が6割 

国際分散投資を目的とした投資信託の投資先について考察した。実際は、米国株が6割を占めており、業種にも偏りがあることが分かった。保有している投資信託が、どの国にどのような配分で投資しているかを確認してみる事を推奨する。

国際分散投資の中身を確かめよう 「世界」と言っても米国株が6割 

「国際分散投資をすればリスクが軽減できる」と言われます。では個人投資家が世界中の株式市場に目を光らせることができるかと言うと、実際には至難の業。そこで「全世界株式」「グローバル株式」「国際株式」などの名称の投資信託の出番です。

代表的な指数は「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」と「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」です。それぞれ、米国のMSCI社、英国のFTSE社が算出する指数です。どちらも、世界全体の株式市場の「ものさし」として知られ、世界の上場株式が時価総額に比例して構成されています。

昨年末時点で、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」は先進23カ国と新興25カ国の大型・中型株で構成。「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」は、先進25カ国と新興24カ国で、大型・中型株のほか、小型株も含まれています。

「世界の株式に分散投資」というと、北米、アジア、欧州、そのほか新興国にバランスよく分散しているようなイメージが浮かびますが、実際には両方とも米国株が6割を占めています=円グラフ。これは米国の株式市場の規模が巨大なため。また、業種別の構成銘柄は表の通り、全産業に均等に分散しているわけではありません。

ほかに、日本国内で販売される投信のベンチマークには、全世界の株式から日本株だけを除いた指標を使うものがあります。これは、日本人のほとんどが円建ての金融資産をベースにしているので、国際分散投資をするにあたって、日本株は不要だという考えからです。

グローバル指標には「先進国だけ」「新興国だけ」「高配当株式だけ」「アジア株だけ」など、さまざまなタイプがあります。保有する投信がどの国にどのような配分で投資しているのかを把握し、海外ニュースを投資判断に役立ててくださいね。

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担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
Refinitiv (リフィニティブ) はロンドン証券取引所グループ (LSEG) 傘下の金融情報提供会社です

【図】
組入されている国・地域の内訳
業種別構成比