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知りたい投信 なるほどリッパー : 2022年3月25日

私が考える投信選びのポイント 人それぞれで違うお金の育て方 

筆者が投資信託を選ぶための3つのポイントを挙げ、それぞれのポイントについて、詳しく解説した。​今回をもち、当コラムの朝日新聞上での掲載は終了するが、下記のRefinitivのウェブサイトで掲載を続けてまいります。

私が考える投信選びのポイント 人それぞれで違うお金の育て方 

資産形成をするにあたって、「どんな運用をしたら良いか」と聞かれると、無責任かもしれませんが、私は「あなたの好きなようにしたらいい」と返答しています。お金の育て方は、その人の現実的な状況や人生観によってまちまちです。洋服やランチを選ぶように、ご本人の好みや手持ちの服、昨日食べたメニューなどを聞かないと、適切なアドバイスができません。今回は、読者のみなさんが、ご自身に合う投資信託を選ぶための三つの観点をお伝えしましょう。

まず一つ目は、自分を知ることです。現在の収入と支出、金融資産、今後の収支の予定などです。ここから、運用に回せる金額を導いたり、取れるリスクの大小を予測したりします。また、性格や自分の状況も大事です。資産が目減りしたらどう感じるか、生活に影響があるか、などを考えてみましょう。

二つ目の観点は、お金を育てる環境です。世界の出来事すべてが、大なり小なり反映します。現在は、米国の金融政策と、ロシアのウクライナ侵攻が大きく影響しています。これらを受けて、物価や企業の業績、景気全般にも波及するなど、多くのことが投信の価値に反映しています。

三つ目の前に、「自分に適していない」「嫌だな」と思うお金の育て方を考えてみましょう。例えば、値動きが大きすぎる、新興国などの判断は難しい、理解できないしくみは避けたい、といった素直な気持ちは大切です。

ここで「いいな」と思う投資方針が思い浮かぶかもしれません。「投資したお金が3割減るのは嫌だけど、2割までなら許容範囲」とか、「世界経済に幅広く投資してリスクを抑えたい」「預金と違うから、高い利益を求めたい」などの考えが生まれたらしめたもの。

三つ目の観点は、投信を知ることです。約5900本もある中から選ぶには、自分のこだわりを決めておくと良いでしょう。多くの人が重視する判断基準は、「残高が多い、または解約が少ない」「過去の運用成績が安定、または他より優れている」「投資対象が魅力的」「手数料が低い」「運用の説明などアフターフォローが充実」など。

これらの情報は、投信の運用会社や取り扱い金融機関のWEBサイトからダウンロードできます。おすすめは「月次レポート」=表。運用担当者の愛が伝わる内容のものから事務的なものまで、運用会社によって特徴が分かれます。投資初心者でも読みやすいと思います。運用の目的を読み、共感できる投信を選ぶのも良いでしょう。これらの資料を積極的に活用して、あなたに合うお金の育て方を見つけてくださいね。


「知りたい投信~なるほどリッパー」は最終回です。ご愛読ありがとうございました。


担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
Refinitiv(リフィニティブ)はロンドン証券取引所グループ(LSEG)傘下の金融情報提供会社です

【図】
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