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知りたい投信 なるほどリッパー : 2020年8月28日

「顧客の利益優先」をめざして (下) : 手数料比較しやすい指標導入へ

「顧客の利益優先」に関する、金融庁の取り組みについて解説。2021年に導入予定の金融商品を比較するための共通フォーマットとはどのような物なのか?内容を詳しく紹介した。

「顧客の利益優先」をめざして(下): 手数料比較しやすい指標導入へ

 投資信託を持っている読者のみなさんは、投信の販売会社の営業姿勢や商品ラインナップ、提供するサービスに満足していますか? 

 金融庁は、金融機関が顧客の立場に立って商品提供やサービスを行うよう、「顧客本位の業務運営に関する原則」を定めています。この原則に基づいて、金融機関が顧客の利益を優先しているかを比較できる、共通の指標(KPI)があります。

 金融庁は、これまで金融機関が公表した取り組みやKPIについてまとめました。その資料によると、自社の利益より顧客の利益を優先して投信を販売した金融機関は、顧客の短期的な売買が減少しています。「顧客第一」を貫く金融機関は、顧客に頻繁な売買をさせないので、販売額が減少しているのです。販売手数料率も低下しています。

 これらは顧客の利益優先の結果であり、うれしい限りなのですが、短期的には販売会社の収益を圧迫します。経営面での課題が浮き彫りになりました。これを解決するには、ライフプランに基づく提案をし、顧客の資産を増やす営業が重要だとしています。

 また、インターネット証券の顧客数が増加しており、従来のような対面ではない販売方法が投資家のニーズだと分析。銀行や大手証券の販売手法の見直しも課題です。

 販売会社ごとに投信の購入手数料をみると、銀行と大手証券会社では、近年の傾向に大きな違いが見られました=グラフ。大手証券では複雑な商品の取り扱いが多く、丁寧な説明が必要なことから、手数料が高くなりがちです。一概に手数料が低ければ良いとは言えませんが、顧客への説明など、手数料に見合うサービスが受けられているかどうかも重要です。

 金融庁はこれらの検証を踏まえて、このほど、さらに一歩踏み込んだ形で、金融商品の手数料などを顧客が比較しやすくなるよう、共通のフォーマットを導入することにしました=表。対象の金融商品は、投信や貯蓄型の保険で、2021年にも導入する予定です。