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  3. 9月25日掲載 : コロナで変わった?② 毎月分配型投信 分配金引き下げは「渡りに船」か

知りたい投信 なるほどリッパー : 2020年9月25日

コロナで変わった?②  毎月分配型投信 分配金引き下げは「渡りに船」か 

毎月分配型投信に与えた新型コロナウイルスの影響について解説。残高の推移や分配金減額の傾向について詳しく検証した。

コロナで変わった?②  毎月分配型投信 分配金引き下げは「渡りに船」か 

新型コロナウイルスは、毎月分配型の投資信託にも影響を与えたとみてよいでしょう。毎月分配型の純資産残高は、今年2月に急激に減少しています=折れ線グラフ。
 1月までの残高は23兆円前後でしたが、2月は前月比で1兆円余の減少、続く3月の残高は18.5兆円で当面の底となりました。その後、徐々に回復しましたが、7月の残高は19.8兆円。世界の株価がコロナ前の水準を取り戻す中、毎月分配型投信の残高は、いまだ20兆円未満の水準が続いています。


 注目したいのは、コロナショックを受けて、毎月分配型投信の多くが「渡りに船」とばかりに収益分配金を引き下げたことです。国内で販売されている毎月分配型の株式オープン投信のうち、1月より7月の分配金の額が少なかった銘柄は293本でした。これらの残高を合計すると、7月末時点で、毎月分配型投信全体の約3割に相当します。
 毎月分配型のうち、前月と比べて分配金を増額または減額した投信の本数を月別にまとめたのが棒グラフです。分配金を引き下げた投信を投資対象別でみると、米ドル建てのハイイールド債や新興国の債券で運用する投信が目立ちました。これらの債券は高利回りですが、信用リスクが高めです。また、不動産投資信託(REIT)で運用するリート投信も、地域を問わずに分配金が下がっています。


 以前、毎月分配型投信は、高い分配金利回りが個人投資家の資金の呼び水となっていました。運用が良くない月は元本を取り崩して分配した投信もあったほど。本来、分配金は運用益の一部キャッシュバックで、運用しだいで金額が上下するのが自然です。運用がよくないのに、分配金の減額を避けるために多額の分配金を支払うと、投信の財政が不安定になります。
 コロナショックは、毎月分配型の分配金減額に好都合だったかもしれません。「コロナだから仕方がないね」と言ってもらえそうなタイミングです。コロナショックは、毎月分配型投信の運用の健全化にかじを切る一つのきっかけだったと、肯定的に考えることにいたしましょう。

 【図】
毎月分配型投信の純資産残高の推移
毎月分配型投信の分配金額の増減