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知りたい投信 なるほどリッパー : 2020年10月23日

9月までの資金動向 資金が集まる新規設定ですが… 

1月から9月までの資金流出入について解説。内訳を見てみると、新規設定のファンドが順調に資金を集めており、既存のファンドは流出超過の傾向が見られる。この傾向は、新規ファンドへの乗り換えが行われていることを示唆している。

9月までの資金動向 資金が集まる新規設定ですが… 

 2020年9月の投資信託市場は、多額の資金が集まりました。国内で販売されている株式オープン投信の純流入額は、上場投資信託(ETF)を除いてもリッパーの推計で4613億円。7月の純流入5066億円に続く規模で、純流入は3カ月連続です。1~9月の累計は2.1兆円の流入超過、ETFを含めると流入超過額は8.4兆円に膨らみます。

 個別銘柄の1~9月累計は、7月に設定された「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)」が1位です=表。2位も7月設定の投信で、この二つの投信は、翌8月の資金純流入額でも1位と2位。8月の3位と4位は、やはり8月に設定された「野村ブラックロック循環経済関連株投信」の「Aコース」と「Bコース」の2投信でした。

 今年は、新しい投信が募集期間に多額を集め、その後も資金が入り続けています=グラフ。9月単月の純流入額2位が「ティー・ロウ・プライス グローバル・テクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」、3位は同じ投信の「Aコース(為替ヘッジあり)」で、どちらも9月の新規設定。2本合計で推計1116億円を集め、10月8日時点で運用効率の観点で新規購入を一時停止しています。

 一昔前の株式オープン投信は、当初の募集期間が終わると営業現場は急に静かになり、購入ペースが落ちることがよくありました。今年のように、募集期間中のみならず追加設定期間に入ってからも引き続き資金を集めるのは良いことです。ただ、グラフから読み取れるように、6月、7月、8月は既存の投信が流出超過でした。いまだに古い投信から新しい投信への乗り換えが行われているのだろうか、と憂慮しています。