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知りたい投信 なるほどリッパー : 2021年3月5日
調査結果から見える資産運用の意識 まだ元本保証にこだわりますか
個人投資家の資産運用に対する意識について、金融広報中央委員会の調査を基に考察した。株式や投資信託などの収益性が高いと見込まれる金融商品を保有したいと思う世帯が増えていることが分かった。
調査結果から見える資産運用の意識 まだ元本保証にこだわりますか
みなさんは、「よその家は、どれぐらい資産を持っているんだろう」「投資信託は、いくらの投資がいいのかな」など、一般的な家計の水準が気になりませんか?
日本銀行に事務局を置く金融広報中央委員会では、毎年、「家計の金融行動に関する世論調査」を実施しています。2020年の調査では、運用や将来の備えを目的とした金融資産額は、二人以上世帯の平均値が1436万円でした。
ただ、平均値には、飛び抜けた資産家がいると数字を引き上げてしまう性質があります。調査対象の世帯を資産額の多い順に並べたとき、真ん中に位置する世帯の金融資産は、650万円でした。これを中央値といい、平均値よりも「中の中」レベルに近い金額になります。
また、金融資産のうち、投信を持つ割合は6.7%でした=円グラフ。株式・債券・投信を合わせた「有価証券」の保有割合は20%。金融資産の保有目的は、二人以上世帯・単身世帯ともに「老後の生活資金」が最多でした。
この調査は、二人以上世帯と単身世帯に分かれています。例年、二人以上世帯は訪問と郵送で、単身世帯はインターネットで行われますが、2020年の二人以上世帯は郵送のみでした。そのため、19年以前と20年との単純比較はできないものの、投信を持ちたいという人が増えました=折れ線グラフ。特に、株式投信を持ちたいと考えている人が大きく増加しています。
とはいえ、「元本割れを起こす可能性があるが、収益性の高いと見込まれる金融商品の保有」については、「保有しようとは全く思わない」が最多で、二人以上の世帯が67.6%、単身世帯が55.4%でした。
ですが、注目すべきは「積極的に保有しようと思っている」と「一部は保有しようと思っている」という世帯が増えていること。2つの回答の合計は、二人以上の世帯が19年の19.6%に対し、20年は30.8%、単身世帯では38.8%から44.6%に増加しました。
「貯蓄から投資へ」を経て、いよいよ「貯蓄から資産形成へ」という時代を迎えているように感じます。