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知りたい投信 なるほどリッパー : 2021年3月12日

2月までの資金動向 ラップ専用投信から見える流れ

2月末までの資金動向を解説。ETFを含めた1月から2月の純流入は8178億円となり、14か月連続の流入超過となった。内訳を見ると、これまで資金を集めていたIT関連に加え、「娯楽メディア」「ESG」関連の投資信託が資金を集めたことに注目した。

2月までの資金動向 ラップ専用投信から見える流れ

2021年2月、米国のダウ平均株価が最高値を更新し、日本では日経平均株価が3万円台を回復。株式市場の活況を受けて、投資信託市場にも株式型投信を中心に資金が集まりました。
上場投資信託(ETF)を除いた国内で販売されている投信の純流入額は、リッパーの推計で4312億円。流入超過は3カ月連続で、1~2月累計は9958億円の純流入です。なお、ETFを含めると8178億円の純流入で、14カ月連続の流入超過です。
リッパーの投資対象別分類では、IT(情報テクノロジー)関連株で運用する投信が資金を集め、1~2月の流出入累計額トップでした=グラフ。1月まではグローバル株に分類される投信が4カ月連続の1位で、IT株は2位の座を米国株と競っていましたが、2月に躍進しました。
個別の投信では、1~2月にラップ口座専用投信に動きがありました=表。投資対象分類で資金の流出が目立つ日本株と円建て債券は、ラップ専用投信の影響と考えられます。
ラップ口座は投資家が一定の金額を証券会社などに預け、投資を一任する契約です。投資家の運用方針に基づくとはいえ、投資判断は証券会社などに任せています。読者のみなさんは、ラップ専用投信の動きを「専門家がどのような判断を下したか」という視点で見ると、参考になるでしょう。ラップ専用投信以外で純流入額上位に入った投信は、テーマがはっきりしたアクティブファンドです。それぞれ「動画配信などの娯楽メディア」「イノベーション」「ESG(環境・社会・企業統治)」に関連する企業の株式で運用する投信。今年前半の目立つ存在となりそうです。

 担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
 Refinitiv (リフィニティブ)はロンドン証券取引所グループ(LSEG) 傘下の金融情報提供会社です

 ■資金純流出入額ランキング(2021年1~2月)
順位 ファンド名(※はラップ専用投信)            資金純流入額(百万円)

 〈純流入額トップ5〉
 1 ※日本超長期国債インデックスファンド(ラップ向け)(三菱UFJ国際)    106,573
 2 デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド(日興)           101,011
 3 グローバル・プロスぺクティブ・ファンド(日興)               100,464
 4 グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド
        (為替ヘッジなし)(アセットマネジメントOne)                                                    83,893
 5 ※ファンド・マネジャー(国内株式)(三菱UFJ国際)             77,144

 〈純流出額トップ5〉
 1 ※ファンド・マネジャー(国内債券)(三菱UFJ国際)              -185,669
 2 グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)(日興)             -25,974
 3 ※野村日本株インデックス(野村投資一任口座向け)              -11,948
 4 ※野村ファンドラップ日本株                         -11,590
 5 ※野村ファンドラップ外国債券 Bコース                   -11,279
 〈上場投資信託(ETF)を除く株式オープン投信について設定額から解約・償還額を差し引いた。リッパー推計〉