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- 2022年4月19日掲載: リッパー・ファンド・アワード2022ジャパンより ④投信部門のミックスアセット型受賞ファンド
知りたい投信 なるほどリッパー : 2022年4月19日
リッパー・ファンド・アワード2022ジャパンより ④投信部門のミックスアセット型受賞ファンド
本年度の「リフィニティブ・リッパー・ファンド・アワード・ジャパン 2022」のミックス・アセット部門について考察した。ミックス・アセット型のファンドが用いる「ファミリーファンド」と「ファンド・オブ・ファンズ」の違いについても詳しく解説した。
リフィニティブ・ジャパンでは、2022年3月24日に「リフィニティブ・リッパー・ファンド・アワード・ジャパン 2022」の受賞ファンドと受賞運用会社を発表しました(掲載はこちら)。
今回は、投信のミックスアセット部門で受賞した、主なファンドをご紹介します。
I. リッパー・ファンド・アワードとは
「リフィニティブ・リッパー・ファンド・アワード・ジャパン 2022」は、2021年12 月末時点において日本で販売登録され、36 ヵ月以上運用実績のあるファンドが評価対象です。ファンド評価対象の投信を同じ投資対象分類内で比較し、最優秀ファンドを表彰します。
アワードで「優秀」と判断されるのは、 「収益一貫性(コンシスタント・リターン)」のスコアが高いファンドです。リスク調整後リターンが一定期間内に安定継続すれば収益一貫性が高くなります。アワードでの評価対象期間は、3年、5年、10年です。
前回までに、債券型と株式型の受賞ファンドについてお伝えしてきました。今回は、ミックスアセットに分類されるファンドを紹介します。
II. ミックスアセットとは
「ミックスアセット型」は、バランスファンドと呼ばれる投信です。目論見書の投資対象資産の欄に、「資産複合」と記されています。リッパーの投資対象分類では、円建てのミックスアセットは株式の割合に応じて4つのカテゴリに分かれており、それぞれの定義は以下の通りです。
【積極型】 株式の組入比率が65~100%
【バランス型】 株式の組入比率が35~65%
【安定型】 株式の組入比率が0~35%
【フレキシブル型】機動的に組入比率を変更する
ミックスアセットは、株式、債券、不動産投資信託(REIT)、その他資産(金などの商品)を、適宜組み合わせた運用です。そのため、複数の投資信託を束ねる「ファミリーファンド」方式または「ファンド・オブ・ファンズ」方式の投資形態が一般的です。ここで簡単に、両方式について説明しておきましょう。
III. ファミリーファンドとファンド・オブ・ファンズ
ファミリーファンドは、「ファミリー」と呼ぶだけあって、「親ファンド(マザーファンド)」と「子ファンド(ベビーファンド)」で構成されます。投資家が販売会社を通じて購入するのは、子ファンドです。子ファンドに集められた資金が親ファンドを購入して運用するしくみです。
ミックスアセットでは、例えば「国内株ファンド」「国内債券ファンド」「グローバル株ファンド」「中小型株ファンド」「先進国ソブリンファンド」「新興国高利回りファンド」「全世界リートファンド」「ゴールドファンド」などの親ファンドに投資をし、「○○バランスファンド」という名の子ファンドができあがります。
ファンド・オブ・ファンズも、ファンドがファンドを買い付けるしくみは同様です。投資家が販売会社を通じて購入するファンド・オブ・ファンズは、その投資対象として、複数のファンドが組み入れられています。
では、ファミリーファンドとファンド・オブ・ファンズは何が違うのでしょうか。
ファミリーファンドの子ファンドは、運用管理費用(信託報酬)がかかりません。また、それぞれの子ファンドと親ファンドは同じ運用会社が運用し、親ファンドは他の子ファンドの投資対象にも利用されています。そのため運用効率が上がり、コストを低く抑えることができます。
ファンド・オブ・ファンズの場合、運用に組み入れられているファンドは、単独で販売されているものもあります。異なる運用会社のファンドが組み入れられていることも多いです。運用管理費用(信託報酬)がかかる普通のファンドが組み入れられているので、コストは比較的高め。ファンド・オブ・ファンズ全体にかかる費用は「実質的な負担」として、組み入れファンドの運用管理費用(信託報酬)を加味した経費率が表示されています。
IV. 「ミックスアセット(日本円)」の受賞ファンド
では、ミックスアセットの各分類の最優秀ファンドをご紹介しましょう。アワードでは、「Lipper Leader Rating (リッパー・リーダー・レーティング)システム」の4つの評価尺度のうち「収益一貫性」が優れたファンドを最優秀ファンドとします。以下の受賞ファンドの「収益一貫性」はすべて最高の「5」です。
リッパーのレーティングには「経費率」もあります。ミックスアセットの受賞ファンドを紹介するにあたり、ファミリーファンド方式(FF)とファンド・オブ・ファンズ(FOF)方式の区別と、経費率のスコア(最高5~最低1)も併せて掲載しておきましょう。
<積極型>
【 3年】三菱UFJ ライフプラン 75(三菱UFJ国際投信株式会社)「FF」「2」
【 5年】6資産バランスファンド(成長型)(大和アセットマネジメント株式会社)「FF」「2」
【10年】6資産バランスファンド(成長型)(大和アセットマネジメント株式会社)「FF」「2」
<バランス型>
【 3年】ドイチェ・ETFバランス・ファンド(ドイチェ・アセット・マネジメント)「FOF」「5」
【 5年】セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(セゾン投信株式会社)「FOF」「5」
【10年】ベトナム・ASEAN・バランスファンド(T&Dアセットマネジメント株式会社)「FOF」「1」
<安定型>
【 3年】LM・グローバル・プラス(毎月分配型)(フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社)「FF」「2」
【 5年】フィデリティ・世界分散・ファンド(債券重視型)(フィデリティ投信株式会社)「FOF」「3」
【10年】フィデリティ・世界分散・ファンド(債券重視型)(フィデリティ投信株式会社)「FOF」「3」
<フレキシブル型>
【 3年】ありがとうファンド(ありがとう投信株式会社)「FOF」「4」
【 5年】セゾン資産形成の達人ファンド(セゾン投信株式会社)「FOF」「5」
【10年】セゾン資産形成の達人ファンド(セゾン投信株式会社)「FOF」「5」
次回は、DC(確定拠出年金)部門の受賞ファンドをご紹介します。