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知りたい投信 なるほどリッパー : 2022年6月21日

ミックスアセット(資産複合)型投資信託は、防衛力バツグン

Lipperのリッパーの分類の「ミックスアセット」(株式、債券、不動産投資信託(REIT)、コモディティなど、多様なアセットクラスに分散投資をするファンド)の分散効果とパフォーマンスの観点から、「株式型 グローバル」「株式型 日本」「株式型 米国」「債券型 グローバル 日本円」「リート 日本」と比較検証を行った。

2022年に入って以来、世界の金融市場に逆風が吹いています。米国をはじめ主要国の金融政策の転換や、ロシアのウクライナ侵攻、中国のゼロコロナ政策などの影響で、世界の株式市場や債券市場は、底が見えない状態が続いています。

「投資信託は分散投資が効いているので、価格変動リスクを小さく抑えられる」と言われます。けれど、「リーマン・ショック」で相場が急落した際は、「結局、どれを買っても損失は免れなかった。分散投資効果などなかったじゃないか」という声があちこちから聞かれました。

今年の年初からの下げ相場では、どうなっているでしょうか。

I. リッパーの投資対象別分類「ミックスアセット」とは

リッパーの投資対象別分類の中に、「ミックスアセット」という分類があります。資産複合型とも呼ばれ、株式、債券、不動産投資信託(REIT)、コモディティなど、多様なアセットクラスに分散投資をするファンドのことです。

リッパーの分類では、「ミックスアセット」をさらに細かく分けています。日本円建ての場合、株式の割合が65~100%を「積極型」、35~65%未満を「バランス型」、0~35%未満を「安定型」としています。この3タイプの他に、「フレキシブル型」があり、市場環境に応じて資産配分を機動的に調整しながら運用するファンドが属します。

II. 直近1ヵ月のパフォーマンス比較

さて、ミックスアセットのファンドは、この下げ相場で、狙い通り分散効果が得られているのでしょうか。

5月末時点の投資信託の騰落率について、他の投資対象分類のファンドと比べてみました。上記で紹介した4つの「ミックスアセット」の分類と、比較対象には「株式型 グローバル」「株式型 日本」「株式型 米国」「債券型 グローバル 日本円」「リート 日本」を挙げました。

まずは、足元のパフォーマンスを見てみましょう。純資産残高が10億円以上のオープン投信について、個々の騰落率を銘柄数で単純平均しました。算出するにあたり、上場投資信託(ETF)は除外しています。

【グラフ1】は、2022年4月末からの1ヵ月間の騰落率です。本来、投資信託は長期投資が望ましく、1ヵ月で評価するのは本意ではありません。しかし、直近の相場の下落による影響を見るために、あえて1ヵ月のパフォーマンスをご紹介します。

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違いは明らかなようです。投資対象ごとに分類内の平均騰落率はまちまちで、米国株ファンドは2.27%の下落、グローバル債券のファンドも0.55%の下落。日本国内のリートファンドは1.64%上昇で、日本株ファンドが意外に検討し、0.87%の上昇となっています。

これらをミックスした結果、下落が抑えられたと言えそうです。

III. 直近6ヵ月のパフォーマンス比較

次に、【グラフ2】で直近6ヵ月を見てみましょう。

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米国株市場のピークは今年の1月3日です。12月中は上昇したものの、1月以降の下落相場の影響を受け、米国株ファンドは分類内平均で6.62%下落しました。グローバル株ファンドのほとんどは、米国株の組み入れ比率が高く、同じように分類内平均で6.38%の下落となっています。

ミックスアセット同士で比較すると、株式の組入比率が高めの方がパフォーマンスは良く、株式の比率が低くなるほどマイナスが大きくなっています。下落率が最も大きいのはフレキシブル型。相場の転換局面において、組み入れ配分の変更を行ったファンドが多いのではないかと想像しています。

IV. 3年、5年のパフォーマンス比較

本来、投信は短期間の値動きに一喜一憂するものではありません。長期投資に向いている金融商品です。3年間や5年間のパフォーマンスを見てみましょう。

【グラフ3】が2022年5月末までの3年間、【グラフ4】が5年間です。

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2021年まで高値を追い続けてきた米国株式市場。米国株ファンドの分類内平均は、2022年に入ってから押し戻されはしたものの、5月末までの3年間で57.62%、5年間で81.04%もの値上がりとなっています。グローバル株のファンドも米国株の組み入れ比率が高めで、高パフォーマンスです。

一方、ミックスアセットは、3年間、5年間ともに、値上がり率は株式に投資をするファンドやリートファンドからは見劣りします。ミックスアセット同士で比べると、好調だった株式市場の恩恵を受け、株式の配分比率の高いものほど好成績となっています。

とはいえ、5年間のパフォーマンスは、バランス型で23.78%、安定型でも12.49%です。それぞれ年利に換算しても4.76%、2.50%です。預貯金に比べて桁違いの結果であることは言うまでもありません。また、最近特に身近になったインフレに対しても、対応可能な水準となったことは注目に値します。

V. 初めての投資信託はミックスアセットがおすすめ

投資をしたことがない人から、「最初の1本はどんなファンドを買ったら良いか」と聞かれることがあります。

目論見書に「資産複合」と書かれているファンドがミックスアセット型です。今年のような急落の場面で防衛力を発揮するミックスアセットは、値下がりリスクに慣れていない投資家には、相性が良いと言えるのではないでしょうか。

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