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- 2023年1月11日掲載 : 2022年の投資信託の資金動向
知りたい投信 なるほどリッパー : 2023年1月11日
2022年の投資信託の資金動向
2022年の国内外の投資信託について、資金動向について解説した。国内市場には年間を通して投信に資金が集まった。一方、外国籍ファンドは、米国籍/ルクセンブルグ籍ファンドでは流出超過、英国籍は債券ファンドに巨額の資金流入があった。
2022年の国内外の投資信託について、資金動向を集計しました。一言でまとめると、国内市場では年間を通して投信に資金が集まりました。
外国籍のファンドは、ファンドの残高が多い米国、ルクセンブルグでは流出超過、10月に債券市場が混乱したという特殊事情があり、英国は債券ファンドに巨額の資金流入がありました。
I. 2022年の国内投信市場は健闘
2022年、日本国内の公募株式オープン投資信託市場では、全ての月で設定額が解約・償還額を上回り、流入超過となりました。リッパーの推計では、(上場投資信託) を除く集計ベースで 2022年 12月まで 25カ月連続の純流入、ETFを含めた集計では 36カ月連続です。
2022年の公募株式オープン (ETFを含む) の純流入額は 8.93兆円。2012年に発足した第2次安倍政権以後の2013年以降の 10年間の中では、6番目の規模です。しかし、ETF を除くベースは 8.39兆円で、2021年の9.57兆円、2015年の8.66兆円に次ぐ3番目です【グラフ1】。

II. 日本株投信や国内REIT投信が見直された2022年
国内で販売されている投信の年間資金フローをリッパーの投資対象別に集計すると、興味深い結果となりました。2022年に資金をより多く集めたのは外国株の投信です。「株式型 米国」が圧倒的な規模で、「株式型 グローバル」「株式型 グローバル 除日本」と続きます。
しかし、いずれにおいても 2021年の純流入額よりは減少しています。一方、「株式型 日本」は、2021年の流入超過額が 1,300億円だったのに対し、2022年はリッパーの推計で 7,200億円に大きく増えています。
前年に 600億円の純流出だった「株式型 業種別 不動産業 日本」は、流入超過に転じ、推計 4,300億円の純流入となりました。気になるのは「株式型 業種別 IT」。前年の純流入 1.4兆円から、2022年は一転して純流出となってしまいました。

III. 個別の投信は、インデックスファンド人気が続く
個別のファンドについても、2022年の年間資金フローを累計しました。純流入額、純流出額のそれぞれ上位5銘柄は、【表】の通りです。

2022年後半は、ほとんど入れ替えがなく同じ顔ぶれが続きました。純流入額上位 5銘柄のうち、4銘柄がインデックスファンド。インデックスファンドの人気は相変わらずです。
『Refinitiv Lipper』投信評価に着目すると、純流入額上位には評価の高い投信が並び、純流出額上位には比較的評価の低い銘柄が集まっています。年間を通して、テーマ型ファンドからの資金流出が目立ちました。
IV. 日本では人気の米国株ですが……
外国籍ファンドについては、データを集めることができる 2022年3月からの集計を行いました【グラフ3】。12月までの10カ月分の資金動向は、10月に債券市場が混乱していた英国で、落ち着きを取り戻した後に巨額の資金が入った影響が目立っています。
日本国内では米国株を投資対象にしたファンドが継続して資金を集めましたが、米国籍のファンドは、月ごとに純流入と純流出を繰り返していた 2022年でした2022年でした。
