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知りたい投信 なるほどリッパー : 2021年12月3日

物価とお金の関係を考える お金の目減り防ぐ大切さ知ろう

資産運用の場合は元本割れの可能性があるが、預金は元本金額は保証されているものの、物価に対しては目減りの可能性がある、ということについて解説した。

物価とお金の関係を考える お金の目減り防ぐ大切さ知ろう

先日、牛丼チェーン店が値上げを発表しました。食べ盛りの高校生にとっては、お財布を直撃するニュースでしょう。ほかにも、値上げの話題がひっきりなしに飛び込んできます。特に、ガソリンの価格上昇は生活に大きく影響する問題なので、注目されています=グラフ。

値上がりの理由の一つは、世界的に原油をはじめとする資源の価格が上昇しているため。原材料費や光熱費、輸送費用のほか、商品のパッケージ材も値上がりしています。おまけに、コロナ禍の自粛明けでお客さんが戻ってきた飲食店は、店員が集まらずアルバイトの時給が上がっています。これらも商品の値上げにつながる場合があります。

日本は、長いこと物価が上がらない「デフレ」の状態が続いて、商品の値段が少しずつ下がったり、品質が良くなっても値段はそのままだったり。そのおかげで、私たちは、物価が上がることを想定せずに、お金の管理ができていたのです。ですが、モノの値段が上がることが当たり前になると、考え方を変えなければいけません。

例えば、100万円を持っていたとします。1年後に自動車免許を取って車を買う時のために、定期預金に預けました。1年後に満期を迎えた時には、税引き後16円の利息が付くだけ。でも、1年で物価が2%値上がりして、同じ車が102万になっていたら、2万円ほどお金を足さないと車は買えません=イラスト。資産運用の場合は元本割れの可能性もありますが、100万円が102万円以上になることもあります。預金よりもうかるという話をしたいのではなく、預金は元本金額が保証されても、物価に対しては目減りの可能性もあることをお伝えしたいのです。

資産運用は、値下がりすることがあるから怖いという人は少なくありません。けれど金融の知識を身につけ、資産運用を経験すると、経済の変化に目が向きます。資産が目減りしないよう、自分の頭で考えられるでしょう。世の中の動きに気づかず、「ガソリンが高くて困っちゃうねぇ」なんて、チコちゃんじゃないですが、「ボーっと生きてんじゃねぇよ」と言いたくなります。アンテナを張って状況を見極め、先を予測し、自分なりにお金を生かしてみませんか。これは生活に必要なスキル(技術)だと思います。

担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
Refinitiv (リフィニティブ) はロンドン証券取引所グループ (LSEG) 傘下の金融情報提供会社です

【図】
レギュラーガソリンの店頭価格
低金利の預金は物価に弱い