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知りたい投信 なるほどリッパー : 2021年10月8日

ご存じですか?「ロールオーバー」 期日までに書類郵送を忘れずに 

NISAのロールオーバーについて詳しく説明した。ロールオーバーを決定する際の判断材料として、銘柄の状況、相場事情や銘柄の状況、相場の見通し等を挙げた。

ご存じですか?「ロールオーバー」 期日までに書類郵送を忘れずに 

そろそろ、2017年から少額投資非課税制度(NISA)を利用している人に「ロールオーバー」の書類が届いた頃でしょう。対象の銘柄を翌年のNISA口座へ移管する、いわば「非課税期間の延長手続き」です。

「一般NISA」は、銘柄それぞれに対して、非課税の期間が5年です。ただし、購入日からでなく、その銘柄を購入した年を1年目として、5年目の年末が期限です。

ロールオーバーの手続きは、NISA口座の金融機関から届いた「非課税口座内上場株式等移管依頼書」に記入し、指定日までに返送すればOK。インターネット証券やネットバンキングでも郵送です。書類の返送を忘れると課税口座に振り替えられますので要注意。なお、一般NISAは改正予定ですが、2023年までの購入やロールオーバーは、その後5年間は現在の制度が適用されます。

ロールオーバーをするか、しないかの判断の一つが投資限度額です。一般NISAの年間非課税投資枠は120万円。ロールオーバーをすると、その銘柄の年末の時価の分、翌年のNISA枠を使います。120万円を超えた分もロールオーバーできますが、枠を使いきるので、移管後1年目はNISA口座で新たな購入はできません。ロールオーバーが120万円未満なら、残りの非課税枠は使えます。

ロールオーバーしない場合は手続き不要です。その投資家が選択している「特定口座」か「一般口座」の課税口座に自動移管されます。

課税口座に移すなら、売却時の税金について理解しておきましょう。移管時の価格と売却価格の差に課税されます=グラフ。移管後の帳簿上の取得価格は、NISA5年目の年末時価。本来の利益が同じでも、移管時の価格によって、グラフのAとBのように税額に差が生じます。また、グラフCのように移管時の価格より売却価格が安ければ、利益が出ていても、損失とみなされて税額はゼロです。

ロールオーバーするかしないか。投資家の事情と銘柄の状況、相場の見通しによって、判断が分かれてくるでしょう。

担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
Refinitiv(リフィニティブ)はロンドン証券取引所グループ(LSEG)傘下の金融情報提供会社です

【図】
100万円で購入、移管後の課税口座で現金化した場合の3つの例