知りたい投信 なるほどリッパー : 2021年7月30日

投信の「うまい話」にご用心 損失限定や元本確保の“その後” 

損失限定型(プロテクト型)と「元本確保型」の投資信託について、両ファンドの特徴、長所・短所、両ファンドへの投資に向いている投資家等について、詳しく解説した。

投信の「うまい話」にご用心 損失限定や元本確保の“その後” 

投資信託に興味があっても元本割れリスクが気になる、という方に応える投信があります。「損失限定型(プロテクト型)」と、「元本確保型」というタイプ。これらの注意点も併せてお伝えします。

損失限定型は、元本割れリスクはあるものの、基準価額の下げが元本の90%や95%程度までに限定させた投信。相場変動で基準価額が下限まで下がると、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)と同じ、安定運用に切り替わります。守りの運用になるので、相場が良くなっても大きなリターンは望めません。基準価額がさらに下がると、繰り上げ償還になる場合もあります。

もう一方の元本確保型は、運用中いつでもというわけではなく、償還のときに元本を確保する運用目標です。現在運用中の26投信すべてが約10年後の償還。投資対象は運用会社が発行する社債ですが、実態は世界の株式市場や債券市場の動きに連動した運用です。株価指数先物や債券先物を使い、元本を確保できる仕組みにしています。

損失限定型と元本確保型では、運用の手法が全く違い、本来は同列で比較するものではありませんが、投資家からみると、どちらも「元本割れリスクを抑える投信」でしょう。現在運用中の損失限定型と元本確保型について、2021年6月末までの騰落率を調べてみました。グラフの横軸は各投信が設定された日です。

こうしてみると、設定した時期によって、運用成績に違いがありそうです。2018年10月から19年2月までに設定した投信は10%前後の値上がりですが、19年6月から20年3月までの設定ではマイナスです。この時期の購入なら、通常のグローバル株式やグローバル債券で運用する投信のほとんどがプラスのはずです。

また、グラフにはありませんが、損失限定型で基準価額の下限に達し、本来より早く繰り上げ償還した投信もあります。20年2月に設定され、わずか1カ月半後に償還された極端な例もありました。グラフには21年6月末時点で下限ギリギリの損失限定型もあり、償還目前です。

長く運用したかったのに償還されてしまうのは、短所といえます。リスクを抑えるためのコストや、仕組みが複雑で理解しにくい点も短所です。損失限定型や元本確保型は、運用の仕組み上、購入が募集期間内に限られる単位型なので、積み立て投資ができません。リスクを抑える方法として、積み立てで時間分散をするか、損失限定型や元本確保型を利用するかの選択です。大きな値上がりと低リスクも両立しません。10年後の決まった支払いに充てるなら、損失限定型・元本確保型は向いているでしょう。

投信ごとの特徴を理解し、長所短所を検討して選ぶようにしましょう。

担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
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