知りたい投信 なるほどリッパー : 2021年8月20日

夏休み集中講義 : 3~金融って、なあに? 必要な所へお金を届ける仕組み 

高校生向けに資産形成や資産運用について説明する「夏休み集中講義」の3回目。買い物や仕事などの個人の経済活動を通じて払っている税金の使われ方や、「企業に投資する」ことの意味について、分かりやすく説明した。

夏休み集中講義 : 3~金融って、なあに? 必要な所へお金を届ける仕組み 

■高校生向け 資産形成がわかる

金融とは、社会の中でお金を融通(ゆうずう)し合うこと。みなさんがお店でお菓子を買うのも、経済活動です。お菓子を手に入れる代わりに、お金を払いますよね。そのとき、お店を通じて消費税も納めています。アルバイトをしている人は、労働力を提供して、給料を受け取っています。給料が多い人は所得税を納めます。国や自治体は、大勢から集めた税金を、全ての人が安心して暮らせるように使います。

お金のやり取りは、以前は現金での支払いが主流でしたが、最近は「キャッシュレス」も増えました。アルバイト代は現金で受け取る人もいますが、会社員の給料は、銀行口座に振り込まれるのがほとんど。このようなお金のやり取りは、金融の基本です。

お金は、使いたい者が、使いたい時に、使いたい金額を持っているとは限りません。新薬を開発する製薬会社や未来のクルマを作る自動車メーカー、次世代通信の電波を張り巡らせる通信会社、優秀な人材を育てたい企業など、事業にはたくさんの資金が必要です。また、国や自治体の公共事業や住民サービスにも、多くのお金が要ります。

多額の資金が必要な時、「今は使わない」というお金を持っている人から、そのお金を出してもらう方法があります。これが投資です。「投資は資産家のお金もうけ」と思っていませんか。世の中でお金を融通し合う「金融」の仕組みを使えば、世の中のお金を有効に使えるのです。

例えば、製薬会社の株式を買うとしましょう。「株を買う」のは投資家ですが、製薬会社から見ると、株式を発行して集めたお金で、新薬の開発ができます。また、「国債を買う」とは、国が投資家からお金を借りる代わりに、債券というお金を借りた証明書を発行することです。そのお金は税金と同じように、道路の建設や被災者支援、福祉や教育などに使われます。

「今は使わないお金」で株式や債券を買った投資家は、株主配当金や利息が受け取れます。自分のお金を自由に使えない間の代償です。お金を手元に置いたまま眠らせていたなら、配当金や利息は受け取れません。

あなたの「今は使わないお金」を、世の中に送り出すことで社会の役に立つのです。自分の元に戻ってきたとき、価値が上がっていたらうれしいですよね。そのためには、魅力的な事業に自分のお金を使ってもらえるように、正しい投資の知識を身につけることが大切。

それを次回の8月27日にお伝えしましょう。

担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
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