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- 2021年7月9日掲載 : 予想分配金提示型って?:下 基準価額の変動大きくご注意を
知りたい投信 なるほどリッパー : 2021年7月9日
予想分配金提示型って?:下 基準価額の変動大きくご注意を
予想分配金提示型って?の2回目。近年、「毎月分配型」の投資信託に代わり、人気を集めている「予想分配金提示型」の投信のメリットとデメリットについて解説した。
予想分配金提示型って?:下 基準価額の変動大きくご注意を
毎月決算型の投資信託について、人気が低迷したと思っている人は多いようです。ですが、最近は、以前とは一味違うタイプの毎月決算型に資金が集まっています。「予想分配金提示型」または「分配条件提示型」と呼ばれ、運用成績に応じて収益分配金の額が決まる投信です。決算の回数は年に1回、4回、6回などもありますが、12回の毎月決算型が主流。これがジワジワと増えていて、毎月決算型の人気が再燃したようにも見受けられます。
日本で販売されている毎月決算型の株式オープン投信を、予想分配金提示型とそれ以外に分け、毎月の資金動向を棒グラフで示しました。毎月決算型の残高が最も多かった時期は2015年。金融庁が毎月決算型の投信について、その問題点を突いたのは17年です。翌18年は、分配金の金額を引き下げる投信が増えました。ちょうどその頃、バトンタッチをするように予想分配金提示型が増え始め、21年5月末時点の銘柄数は44本です=折れ線グラフ。資金純流入は、17年7月から47カ月連続です。
と、ここまでの説明を読んだみなさんの中には、「やっぱり分配金を毎月もらえるって、いいよね」と飛びつきたくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
けれど注意が必要です。6月25日のこの欄で紹介したように、予想分配金提示型は、値動きが比較的大きい外国株式や情報テクノロジー(IT)株で運用する投信がほとんど。基準価額の変動が大きくなりがちです。
以前の毎月分配型ブームは、世界各地に分散投資するものや、配当利回りの高い証券で運用するものが主流でした。それらは、定期的におこづかいを受け取る目的に比較的適しています。
予想分配金提示型投信の場合、決算が毎月あるのは、値上がり益を確保する頻度を多くするためと考えた方が良さそうです。運用が悪ければ分配金は出ません。安定的な分配金をあてにしていると、基準価額の低迷時に、慌てることになるかもしれませんよ。
※担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
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