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2019年5月30日

日本におけるマイナス金利環境下のブライトスポット

日本ではマイナス金利政策の長期化と人口趨勢などの構造要因で、金融機関は厳しい経営環境が続いているが、ブライトスポットも存在する。それは資本市場だ。

リフィニティブ・ジャパン株式会社

代表取締役社長

富田 秀夫

日本ではマイナス金利政策の長期化と人口趨勢などの構造要因で、金融機関は厳しい経営環境が続いているが、ブライトスポットも存在する。資本市場だ。現在の超低金利環境の恩恵を受けるため、事業会社が社債発行で積極的に市場を活用した。また、投資先を求める豊富な資金を背景に、株式市場も次世代を支える新技術やサービスを展開する95社が昨年は新規上場するという活況ぶり。さらに、成長機会を求めて積極的に企業買収に踏み切る流れは加速し、本邦企業による海外を中心とした買収案件は、武田薬品工業によるシャイアー買収はじめ34兆円と史上最高水準になった。この買収資金の調達にも、資本市場が活発に利用されている。

その活発な日本の資本市場、株式、債券プライマリー市場をカバーしているのが、IFRの日本版とも言えるDealWatchだ。日々、速報、分析を提供するサービスだが、毎年、優れた発行案件を選考し、ロンドンのIFRアワード同様、DEALWATCHアワードとして表彰もしている。今年、24回目となる授賞式が5月21日にザ・リッツ・カールトン東京で、受賞者、ゲスト約130名を迎えて開催された。

この華やかな授賞式は、資本市場関係者の憧れの場であり、目標とされるようになってきた。引受会社が発行会社に、「調達を成功させてDEALWATCHアワードを取りましょう」と話をしていると聞くと嬉しくもなる。しかし、我々は、単なるお祝いの場として、授賞式を開催している訳ではなく、三つの目的がある。第一は、イノベーションの促進を図ること、第二がダイバーシティの進展、第三が、資本市場で新たなアイデアを生み出す創造の場を作り出すことだ。市場にイノベーションをもたらしたことを重視する選考基準のせいか、今年は特にイノベーティブな案件が多かった。三井住友銀行のユーロ建てカバードボンドは、海外ビジネス拡大で外貨調達が経営課題である邦銀に新たな道を切り開いたと言える。

授賞式は、オペラ歌手によるお祝いの歌の披露もあり、厳かながらも和やかな雰囲気の中で行われた。今年は、投資家も招き、発行体、引受会社、投資家、規制当局、取引所と資本市場のステークホルダーが揃い、創造の場にするという目標も達成できた。リフィニティブのオープンプラットフォーム戦略は、ネットワーキングでも効果的だ。

インベストメントバンキングは、金融機関にとって収益の柱として位置づけられているので、授賞式を好機として、I&A(インベストメント&アドバイザリー)分野でのビジネス拡大につなげたい。

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