1. ホーム
  2. リフィニティブ・ジャパン ブログ記事一覧
  3. 50 周年を迎えたリッパー

2023 年 3 月 1 日

50 周年を迎えたリッパー    

― 資産形成は正確なファンドのパフォーマンス評価から ―

リフィニティブ・ジャパン株式会社

代表取締役社長

富田 秀夫

マイケル・リッパーが、”リッパー・アナリティクス・サービス“を 1973 年に創業してから、今年で 50 年。ロイターが 1998 年に同社を買収し、トムソン・ロイター、リフィニティブを経て、現在は、リフィニティブを 2021 年に買収したロンドン証券取引所グループの一員として活動している。株主は代わっても、グローバルファンドデータとファンド分析を一貫して提供する姿勢に変わりはなく、この分野で世界をリードし続けている。

一口に投資信託といっても、その種類は極めて豊富で、投資対象のアセットクラス、リスク許容度、経費率、投資対象地域など、投資家の様々なニーズに応えるための品ぞろえをしてきた。近年では、ESGを中心に企業における非財務面の評価に重きを置いたファンドも存在感を高めている。
 

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
リフィニティブ・リッパー・ファンド・アワード・ジャパン 2023
最優秀ファンド賞および最優秀会社賞はこちらからご確認いただけます。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

こうした投資信託が、個人の資産形成で中核的な働きを期待される中で、ファンドデータや分析・評価を提供する側の責任も大きくなっている。ファンドデータ元となる運用会社とユーザーとの間に立って、データや分析の中立性、公正性を担保するガバナンスが重要だ。リッパーは、評価会社の行動規範といったものが意識される遥か以前から、50 年にわたりインベストメントチェーンの負託にこたえ、信認を勝ち得てきたと自負している。

「貯蓄から資産形成」実現のためには、ポートフォリオ全体を、どのように構成するかが重要であり、多くの個人投資家にとっても、一つの投資信託だけでなく、複数の金融商品を組み合わせることが求められる。そのためには、金融リテラシーが不可欠で、政府が個人投資家に対して中立的で信頼できるアドバイスの提供を促す仕組みを作ろうとしているのも、自分だけで判断する難しさを意識してのことだろう。しかし、いかにポートフォリオを最適化しようとしても、部品とも言えるファンドが、ファンド名のイメージとは異なるリスク・リターンを持っていては意味がない。いわゆるウォッシュも、そこに問題がある。

ファンドの運用パフォーマンスを定量評価だけに基づき選別し、優秀ファンドを表彰するリッパー・ファンド・アワード。今回は投資信託だけで、31 カテゴリー、評価期間の違いを加えると126 カテゴリーで、最優秀ファンドが決まる。 (ちなみに DC は、10 カテゴリー、評価期間を考慮すると27 カテゴリー) カテゴリーが多すぎるという印象を持たれるもしれないが、同質性が担保されたグループの中から、ポートフォリオを構築するのであれば、この程度の粒度が必要となる。

資産運用の高度化に誰も異論はないものの、何から始めるかで意見は分かれる。まずは、正確な分類と、同一分類のファンド間でのパフォーマンス比較が提供されることが不可欠ではなかろうか。個人金融資産のポートフォリオで、米国を一つのモデルとするのであれば、リッパー 50 年の歴史は、貴重な示唆を与えてくれるだろう。
 

免責事項:© Refinitiv 2022
本文および本文の内容(以下、「本内容」)は、あくまでも一般的な情報提供を目的としたもので、筆者の本主題に係る過去の経験に基づくものであります。記載された内容はRefinitivの見解を反映するものではありません。なお、無断での複製、転送等を行わないようにお願いします。

本内容は、如何なる法域又は領域においても、投資助言(及びその他の如何なる助言)を提供するものではなく、また金融商品の売買の申し込み又はその勧誘とみなされるべきではありません。記載された意見や予測等は作成時点のものであり、Refinitivは、本内容に含まれる情報の正確性、最新性、適切性及び完全性、また本内容の利用結果について如何なる保証も行わず、本内容に起因して生じた損失や損害について一切責任を負いません。Refinitivは予告なくいつでも本内容を変更、削除する権利を留保します。