2020年11月4日

「スターマイン・アナリスト・アワード」 定量評価でランキング

リフィニティブ・ジャパン株式会社 

リサーチコントリビューターリレーションズ

アジア シニアマネジャー

兒嶋淳

リフィニティブは10月5日、2020年度の「リフィニティブ・スターマイン・アナリスト・アワード・ジャパン」を発表した。例年の8月中旬より遅い発表となったが、国内外107名のアナリストが計142のアワードを受賞した。(詳しくは、こちらをご覧ください。)

アワード発表前になると、受賞常連アナリストが在籍する証券会社から、「(アワードの)発表はいつですか?」、「弊社のアナリストは何名くらい受賞していますか?」 といった質問を頂くことが多い。翌年3月に発表される他社のアナリスト・ランキングの投票期間が始まる前の受賞発表なので、「このアワードはやっぱりその前哨戦の位置づけなのだろうか?とはいえ少しでも3月のランキングに役立つのかな」などと考えることも多く、毎年この時期は複雑な気持ちで受賞したアナリストの皆様にお祝いの言葉を伝え、トロフィーをお渡している。同時に「アワードの認知度を少しでも高めるには何ができるだろうか…」と思案するのもやはりこの時期だ。

さて、スターマイン・アナリスト・アワードは定量評価によるアナリスト・ランキングで、これは StarMine (スターマイン) 独自のものだ。アナリストの投資判断の正しさ、業績予想の正確さを日々計測し、1年に一度その結果をアナリスト・アワードとして世界の主要マーケット・地域で発表している。アワード・トロフィーを受賞者の方々に直接お渡しする際は、必ず受賞理由を説明している。

それに対して、受賞者からは、「あの(銘柄の)ストックコールが正しかったのは自分だけで、さらにはベンチマークを大きくアウトパフォームしたのが今回一位を獲得した大きな理由だった」、「業種別の業績予想第一位は、取材・分析手法の正しさを反映したのではないだろうか」、「アナリストとしてのパフォーマンスが客観的に評価されたのは素直に嬉しい」などのコメントを頂いた。そういったセルサイド・アナリストとしての率直な感想は、やはりスターマイン・アナリスト・アワードならではの成果ではないかと思われる。

では、なせリフィニティブは定量評価に基づいたアナリスト・アワードを毎年発表しているのか?それはこのアワードとは切っても切り離せない「スターマイン」という言葉が持つ意味と深く関係している。あまり知られてはいないが、スターマインのStarは優れたセルサイド・アナリストの代名詞でもある「Star Analyst(最近ではあまり耳にしなくなったが)」から由来し、Mineは「資源を掘り出す、抽出する、価値あるものを探し求める」と訳される単語だ。つまり、StarMineは「優れたセルサイド・アナリストを見い出す」ことを目的とした、リフィニティブ独自の定量メソッドの同意語であり、そのメソッドを起点とするプロダクト・ブランドの一部でもある。

サンフランシスコで同名のベンチャー企業がI/B/E/S業績予想をベースとする独自の客観的アナリスト・レーティングを機関投資家向けに提供を開始したのは1998年のことだ。スターマインは、投資判断識別能力・業績予想の正確さといった「評価基準」の客観的なスコア化とレーティング化を行い、人気投票では見えてこない「付加価値」を創出する優れたアナリストを、機関投資家が「見い出す」のを可能とした画期的なアイデアだった。

スターマインは2007年にロイターに買収された後、トムソン・ロイターを経て、現在はリフィニティブのプロダクト・ブランドとして、旗艦製品であるEikonを通じて、アナリスト・レーティング、スマートエスティメイト、アナリスト修正モデルといった「スターマイン・データ」をお客様に提供している。

スターマイン・アナリスト・アワードは、2003年4月以降、世界の主要マーケット・地域で発表され、今年は6カ国8地域のアナリスト・証券会社を対象にアワード受賞者を明らかにした。日本では2005年に第1回目のアワードが発表され、コロナの影響を受けながらも、今年で16年目を迎えることができた。

金融情報企業であるリフィニティブの提供するスターマイン・アナリスト・アワードは、正しい投資判断、正確な業績予想を行ったセルサイド・アナリストに与えられるアワードであり、セルサイドの皆様からご提供頂くデータを基に分析・評価を行い、その年の受賞者を決定している。またこのアワードは、2018年1月のMiFID II実施後、アナリスト・サービスを取り巻く環境が大きく変わった後も、欧米の機関投資家が信頼を置くアナリスト評価のスタンダードの1つであり、ベンチマークの1つとなっている。

セルサイド・アナリストの方々の日々の取材、調査、分析の結果である投資判断と業績予想といったアウトプットへの「信頼の証し」を、「スターマイン・アナリスト・アワード」という定量評価メソッドを通じて市場関係者の皆様に情報発信することが出来るのであれば、何故、リフィニティブが人気投票ではなくデータに基づいたアナリスト・ランキングを毎年発表するかをご理解いただけたかと思う。         

これまでアワードを獲得されたアナリストの皆様にあらためてご受賞されたことを心よりお祝い申し上げるとともに、アナリスト・アワードを通じて、StarMineがさらに市場の発展に活用されるきっかけになればと期待する。

 

 

  

東海東京調査センター様にてアワード第1位獲得のアナリストにトロフィー贈呈

写真左から二人目より

企業調査部シニアアナリスト 摩嶋竜生様
代表取締役社長 前園浩様
企業調査部シニアアナリスト 荒木健次様

前園社長にトロフィー贈呈

東海東京調査センター
代表取締役社長前園浩様コメント

「(スターマイン・アナリスト・アワードの)表彰を頂き御礼申し上げます。今回受賞の三名のアナリストには「おめでとう」を申し上げます。 アナリスト業務は地道な努力を求められますが、その努力の実態さえ見えづらいものです。投資家のブローカー評価等では、アナリストの評価は表に出ませんが、(アナリスト・アワードを通じて)そういったアナリストの実力を評価し、実績を認めて頂けるのは、彼らの励みにもなり、有意義な活動ではないかと確信しています。リフィニティブ様には、今後もスターマイン・アナリスト・アワードを継続して、アナリストのやる気を鼓舞して欲しいと思います。本日は有難うございました。」

  

大和証券様にてアワードで1位に輝いた受賞アナリストにトロフィーを贈呈

写真左から

リサーチ・プロダクション部長 阿部聖史様
エクィティ副担当兼リサーチ副担当 参与 成瀬順也様
エクィティ調査部長 市川元久様
リサーチ・プロダクション部 企画課 次長 澤崎裕幸様

成瀬参与にトロフィー贈呈

 

大和証券 阿部聖史
リサーチ・プロダクション部長のコメント

「(スターマイン・アナリスト・アワードは) 業績予想の正確さと、投資判断の適切さというアナリスト活動のコアの部分にフォーカスした意義あるランキングだと思います。日々の業務により一層真摯に取り組むことによって、結果として、次回より良い評価を得ることが出来ればと思っています。有難うございました。」

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