2022年12月8日

個人投資家にとっての SNS 情報の意味と価値とは?

〜調査データが示す「それでもウェルスアドバイザーが必要だ」という理由〜

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リフィニティブ編集チーム

個人投資家にとって、「正確な情報を、より多く、いち早く、得ること」は、ポートフォリオを適切に組み替えたり、自己資産を守ったりする上で、言うまでもなく重要です。特に、コロナ禍当初に起こった金融市場の大混乱を体験した個人投資家にとって、情報の重要性はこれまで以上に高まっていることでしょう。

そうした中で、個人投資家にとっても、ソーシャルメディア(SNS)は、高い速報性を誇る最も身近な無料の情報収集ツールという重要な役割を担うようになっています。ただし、そこで閲覧できる情報は玉石混交。正確性が担保されておらず、フェイクニュース(偽情報)を掴まされてしまう可能性のゼロではありません。

では、同じく個人投資家の情報源でもあるウェルスアドバイザーは、SNS で見られる情報よりも価値ある情報を提供し、自身の存在価値を最大化することで、顧客の最良のパートナーになり得るのでしょうか? 本稿では、この疑問を解決するヒントを得るべく行われた調査*をもとに、個人投資家の意向を紐解いていきます。

I.  ミレニアル世代の個人投資家にとって信頼できる情報源とは?
まず、個人投資家にとってSNSはどのような存在なのか、デジタルツールとの親和性がより高いと考えられるミレニアル世代の動向を確かめてみましょう。

2021 年 10 月と11 月に Coalition Greenwich 社が、世界の個人投資家 1,526 人を対象に「投資家と金融機関との現在の関係、金融テクノロジーの利用状況と期待事項、オルタナティブ資産に対する認識、および投資家が投資体験をどのようにパーソナライズしてほしいと考えているかについて理解を深めること」 を目的に実施したアンケート調査の結果(英語:Getting personal: How wealth firms can attract and retain the modern investor)によると、次のことが分かりました。

まず、38% のミレニアル世代がウェルスアドバイザーの投資家向け情報を重視し、35% が SNS の投資家向け情報を重要視している、とのこと。つまり、SNSと人間のアドバイザーの間にほとんど差がないことが分かっています。

個人投資家にとってのSNS情報の意味と価値とは?

今後、全ての投資家の中でミレニアム世代や Z 世代の割合が大きくなっていくとするなら、上表のうちソーシャルメディア(SNS)や、同じく情報発信のプラットフォームである YouTube を支持する割合は増えていくと見通されます。

なお、上表では上位 5 つの情報源までを表示しましたが、調査結果ではミレニアル世代が銘柄のファンダメンタルズ分析や投資ニュースレター、ウェビナー、対面のカンファレンスや投資セミナーをどの程度重視しているのか、といった情報も集計しています。

その内容は、レポート「顧客体験をパーソナライズする: 現代の投資家を引き寄せ、つなぎとめる方法」にまとめていますので、ぜひ、資料をダウンロードして詳細をご高覧ください。

II. 個人投資家にとって最も信頼できる情報源は? 
冒頭でも触れた通り、SNS は個人投資家にとって、情報との接点として最も重要かつ気軽なツールであることは間違いありません。たとえば、「本当はもっと暗号資産に投資したいと考えているが、信頼できる情報は少ない」と感じている投資家が最初に接する情報源が Facebook や Twitter である、ということも考えられるでしょう。

では、実際に情報源として重視しているものは何か? 投資家全体の意向を確認してみましょう。

調査結果によると、「取引している投資アドバイザー/ブローカーの推奨(47%)」を筆頭に、「新聞・雑誌(35%)」、「投資ニュースレター(33%)」、「自分の直感(31%)」、「市場データベンダー(27%)」が続きます。

個人投資家にとってのSNS情報の意味と価値とは?

ミレニアル世代にとって最も信頼できる情報源の TOP5 に食い込んでいた「ソーシャルメディア」や「YouTube」は、35 歳以上の個人投資家も含めると大きく順位を後退させるなど、違いが際立つ結果が見られました。

また、アドバイザーとオンライン証券のハイブリッド型の投資家の場合、アドバイザーの意見を他のタイプの投資家より重視する傾向があり、オンライン証券利用型の投資家の方が(オンラインを利用しているにもかかわらず)他に比べて新聞や雑誌の情報を重視する傾向が見られることも分かりました。

これらの詳細は、レポート「顧客体験をパーソナライズする: 現代の投資家を引き寄せ、つなぎとめる方法」にまとめていますので、ぜひ、資料をダウンロードして詳細をご高覧ください。

III. SNS は今後、ウェルスアドバイザーに取って代わるか?
ここで、ウェルスアドバイザーにとって最も気になるのが、「将来的にソーシャルメディアはウェルスアドバイザーに取って代わるか?」ということです。

もちろん、SNS の情報は引き続き個人投資家にとって重要な地位を占め、その割合は大きくなっていくはずです。ただし、先述の通り、SNS の情報は正確性に欠ける場合があると知られているため、投稿者が誰であるか、またはどのような組織・団体が監修しているかということも情報の取捨選択の際に大切な要素とみなされると考えられます。

ただ、どのような投稿もそれを作成・公開するまでに人の目を通すことで信頼性を付加していく必要がある一方で、質の良い情報を早くこまめに配信できるなら、ウェルスアドバイザー自身が投稿しようと、彼らが監修・管理している bot が投稿しようと、受け手はそれほど気にしないとも見通されます。

IV. ウェルスアドバイザーが発信すべき情報は何か?
では、上述を踏まえて、ウェルスアドバイザーはどのような情報を発信し、個人投資家にとって価値ある存在だと末長く感じてもらえるようにすればいいのでしょうか?

そのヒントになるのが、次の調査結果です。

個人投資家にとってのSNS情報の意味と価値とは?

「パーソナライズされた投資サービスや商品により多くの費用を支払ってもいいか」という問いに関し、若干否定的な意見が多いものの、カスタマイズを求める投資家の割合が 40%にのぼっています。ここから、一般的に知り得る情報よりも、「どれだけ自分にとって有益な情報を発信してくれるか」を重視する投資家が相当数いることが読み取れます。

他方、個人投資家は、「いかに自分の近くに頼れる存在を感じられるか?」も気にし始めていると考えられます。その理由として挙げられるのが、投資家にプラットフォームの改善点を質問した結果です。

個人投資家にとってのSNS情報の意味と価値とは?

「自分の投資対象(他社保有分も含む)をすべて表示するダッシュボード(30%)」や「よりわかりやすい商品説明(30%)」のような機能面の拡充を期待する声に加え、「オンラインでアドバイザーと投資/データを確認する機能(27%)」や「保有銘柄や選好に応じてパーソナライズされたニュース(26%)」「安全が確保された双方向のチャット機能(21%)」というように、自分にとっていかに有益で、ウェルスアドバイザーとどれだけ密なコミュニケーションが取れるか、ということに関心が向いていることが分かります。

このほか、TOP5 以下にもセキュアな環境でウェルスアドバイザーとの接点を求める項目はいくつも挙がっています。

詳細は、レポート「顧客体験をパーソナライズする: 現代の投資家を引き寄せ、つなぎとめる方法」にまとめていますので、ぜひ、資料をダウンロードして詳細をご高覧ください。

個人投資家は一般的な情報や多くの人が接することができる情報を求めているのではなく、「自分に必要な情報」をより身近なところに求めており、そのために SNS やウェルスマネジメントの資するデジタルツールを活用しているのだと推察されます。

こうした変化を受けて、「個人投資家に合わせてデジタルツールを導入する必要がある」と感じているアドバイザーは少なくないでしょう。

しかし、ウェルスアドバイザーのデジタル化は、個人投資家らのためだけではありません。ウェルスアドバイザー自身に、完璧にパーソナライズされた情報が届くようになることで従来であれば見逃したり、こぼれ落ちていた価値ある情報を顧客に提供したりできることは、将来的にウェルスアドバイザー自身のスペシャリティを上げ、新たな顧客に明確に成果をアピールできる機会を得ることにも繋がるでしょう。

そうした意味で、まずは個人投資家のニーズを詳細に把握することは有益だと考えます。その際に、レポート「顧客体験をパーソナライズする: 現代の投資家を引き寄せ、つなぎとめる方法」が参考になれば幸いです。

【調査概要】
*調査名   : Coalition Greenwich 社「個人投資家の意向調査」
調査期間: 2021年10月〜11月
調査対象: 世界の個人投資家1,526人
上記内訳:
    居住地 北米(23%)、中南米(13%)、欧州(30%)、日本を含むアジア(33%)
    年齢 35 歳未満(15%)、35〜54 歳(39%)、55 歳超(56%)
    投資カテゴリー 富裕層(29%)、マス富裕層(71%)
    投資判断の方法 オンライン証券利用方(35%)、アドバイザーとオンライン証券のハイブリッド型(44%)、アドバイザー主導型(21%)

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