1. ホーム
  2. 知りたい投信 なるほどリッパー
  3. 2021年8月27日掲載 : 夏休み集中講義 : 4~投資を始める前に いつも世界の出来事に関心を!

知りたい投信 なるほどリッパー : 2021年8月27日

夏休み集中講義:4~投資を始める前に いつも世界の出来事に関心を! 

高校生向けに資産形成や資産運用について説明する「夏休み集中講義」の最終回。株式や債券に投資することの本来の意味やメリット、購入後のリスクについて解説した。​

夏休み集中講義:4~投資を始める前に いつも世界の出来事に関心を! 

■高校生向け 資産形成がわかる

昔に比べて、便利になったものといったら、何を思い浮かべますか。キャッシュレス決済? SNS? ハンディータイプの扇風機? リモート授業は学校に行かなくていいけれど、友達と会えなくて寂しいですね。

企業などの優れた技術やサービスのおかげで、私たちの暮らしが充実します。ただし、それらのアイデアを思いつくだけではだめで、商品にするには資金が必要。その資金を出す人が投資家です。

みなさんにとって、一番身近な投資は、銀行の預金でしょう。預金は、銀行の金庫に保管しておくのではなく、事業資金などが必要な企業や個人に貸し出されます。貸し出しの判断をするのは銀行。貸したお金が返ってこなかったら、銀行が責任を取ります。銀行を通すこの仕組みを「間接金融」といいます。

対する「直接金融」は、投資家の判断で、株式や債券に投資することです。株式は企業にお金を提供している証(あか)し。債券はお金を貸している証しで、お金の面で事業に参加する権利を形にした証書です。今は紙でなくコンピューターで管理されています。

株式は、証券取引所で売買できます=イラスト。魅力的な企業には、多くの投資家がお金を出したくなります。株式の売買はオークションと同じ。みんなが欲しいと思う株式の値段(株価)は上がり、その株式を持つ投資家の財産は増えます。

ただ、投資した企業の事業がいつもうまくいくとは限りません。ヒットするはずだった商品が売れなかったり、災害やトラブルに見舞われたり、時代が変わったりして、投資した事業の魅力が失われることもあります。すると株価は下がり、投資家の財産は目減りします。倒産は最悪のケースで、株式の価値はゼロになってしまいます。

債券は、お金を貸す期限(満期)があらかじめ決まっています。満期までに定期的に受け取る利息が投資家の収益です。満期が来る前に売ることも可能ですが、債券の売値も株式と同じで、投資した金額より高いことも安いこともあります。投資先の資金繰りが悪ければ、満期に全額が返らない場合もあります。

投資は、経済がうまく回っていれば、長期的な資産づくりに役立ちます。ですが、判断を間違えると、資産を減らしてしまうかもしれません。金融や経済の知識を学ぶと同時に、世の中の動きに関心を持つと、資産形成の判断力が身につきますよ。

担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
Refinitiv(リフィニティブ)はロンドン証券取引所グループ(LSEG)傘下の金融情報提供会社です