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- 2022年1月28日掲載 : 投信市場が膨らんだ2021年 資金流入と本数整理で寅年飛躍?
知りたい投信 なるほどリッパー : 2022年1月28日
投信市場が膨らんだ2021年 資金流入と本数整理で寅年飛躍?
2021年の投資環境を振り返った。投資信託の本数の減少に歯止めがかかり、資金は流入超過であった。純資産総額は2003年以降の最高額を更新した。投信の本数の落ち着きは、ロングセラーの投信が増えて来ている事を示している。
投信市場が膨らんだ2021年 資金流入と本数整理で寅年飛躍?
2021年の投資信託市場は良いことずくめでした。好記録の数々をご紹介しましょう。
●投信の本数
MRF(マネー・リザーブ・ファンド)などの公社債投信などを含めた、国内で販売されている全ての投信の本数は、21年末時点で5911本でした。株式オープン投信は5726本。18~20年の3年間は連続で減少してきましたが、21年は歯止めがかかりました=左下グラフ。
●資金動向
どの月も国内投信市場への資金が流入超過となりました(12月はリッパー推計)。設定から解約・償還を差し引いた純流入額の年間累計は、ETF(上場投資信託)以外の株式オープン投信が9.57兆円。07年の14.41兆円以来の高水準です。
日本銀行は、3月の金融政策決定会合で、ETFなどの買い入れ方針を見直し、市場がかなり不安定になった場合だけ買うことにしました。
その後も700億円程度のETF買い入れを数回行い、年間の買い入れ額は8734億円。前年の約7兆円から9割近い減少で、日銀からの資金は細ったものの、機関投資家からの設定などにより、ETFは2.7兆円の純流入となりました。
●純資産総額
国内で販売されている株式オープン投信の純資産総額は、21年末時点で149.5兆円。データをさかのぼることができる2003年以降の年末残高の最高額を、3年連続で更新しました=右上グラフ。オープン投信全体は150兆円の大台乗せとなっています。
●まとめ
純資産総額は、新たな資金が入れば増えますが、値上がりでも増加します。先週お伝えしたように、21年は運用成績が好調でした。
そして乱立気味だった投信の本数は、6000本を少し下回るあたりで落ち着いています。「回転売買さようなら、資産形成こんにちは」となる転機を迎えたと言って良いかもしれません。
好事魔多しとも言いますが、寅(とら)年は、魅力的なロングセラー投信が増え、「虎の子」を育てる年になるよう期待しています。
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担当=DZHフィナンシャルリサーチ・石原敬子
Refinitiv (リフィニティブ) はロンドン証券取引所グループ (LSEG) 傘下の金融情報提供会社です
【図】
投信の本数は淘汰され横ばいに
投信市場の残高は3年連続で最高を更新