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- 2022年3月29日掲載 : リッパー・ファンド・アワード2022ジャパンより ①ファンド・アワードの概要と最優秀会社賞
知りたい投信 なるほどリッパー : 2022年3月29日
リッパー・ファンド・アワード2022ジャパンより ①ファンド・アワードの概要と最優秀会社賞
本年度の「リフィニティブ・リッパー・ファンド・アワード・ジャパン 2022」の概要について解説した。「アワード受賞ファンド」という勲章は、評価機関のいわば「お墨付き」とも言え、投資判断の一助になると思います。また、すでに保有している投信の運用状況を確認する方法としても役立つことでしょう。
I. リッパー・ファンド・アワードとは
リフィニティブには、世界の投信を同じ基準で評価する「Lipper Leader Rating (リッパー・リーダー・レーティング)システム」という独自のシステムがあります。ファンド・アワードでは、このシステムに4つある評価尺度のうち、「コンシスタント・リターン(収益一貫性)」を使い、3年、5年、10年の期間別に最優秀ファンドを選定し、表彰します。
今回の受賞ファンドは、投資信託部門135本、確定拠出年金(DC)部門が25本。運用会社の最優秀会社賞は、投信部門とDC部門のそれぞれに、総合部門、株式部門、債券部門、ミックスアセット部門において選ばれた合計8社が受賞しました(=表)。
II. 今年の最優秀会社賞は? 評価の方法は?
最優秀会社賞の評価期間は3年間です。2019年~2021年の3年間において、該当するファンド全ての「コンシスタント・リターン(収益一貫性)」の平均値をランキングし、最優秀会社を選定。総合部門最優秀会社の受賞要件は、債券、株式、ミックスアセットの3部門全てにおいて、相対的に高いパフォーマンスを維持したことです。
「コンシスタント・リターン(収益一貫性)」は、リスクを調整した後のリターンです。
仮に、2つのファンドを比較した場合で、3年後に同じ利益率を出したとします。保有する投資家としては、3年後に同じ利益を出せれば2つのファンドは同じ評価かというと、決してそうではないでしょう。保有期間中の値動きに応じて、“ドキドキ“感が異なるはずです。3年間を通して最終的に同じ利益率だったとしても、値動きが激しいファンドと値動きが安定していたファンドでは、「安定して利益を上げた」という基準で考えると、後者に軍配が上がります。
ファンドの評価方法は、評価機関によって基準や方法が異なります。リフィニティブ・リッパー・ファンド・アワードが用いる、「コンシスタント・リターン(収益一貫性)」は、対象となる期間において、安定して収益を上げたファンドほど高い評価になる基準なのです。
III. 受賞は、いわば「お墨付き」
表彰されたファンドや運用会社は、例年、自社のパンフレットやホームページなどに「リフィニティブ・リッパー・ファンド・アワード・ジャパン 2022受賞ファンド」などと記載し、個人投資家のみなさんにお知らせするケースが多いようです。
個人投資家の方々にとって、法定の開示資料などを丁寧に読むのは必要なことなのですが、「難しい」と敬遠されがちです。「アワード受賞ファンド」という勲章は、評価機関のいわば「お墨付き」とも言え、投資判断の一助になると思います。また、すでに保有している投信の運用状況を確認する方法としても役立つことでしょう。