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- 2023 年 3 月 7 日掲載 : 2023年 2 月までの投資信託の資金動向
知りたい投信 なるほどリッパー : 2023 年 3 月 7 日
2023 年 2 月までの投資信託の資金動向
全体的に流入超過となった 2023 年 2 月の国内外における投資信託市場の資金動向について解説した。国内投信市場では、ETF から資金が流出したが、投資信託は流入超過だった。また、海外市場では、米国籍のファンドに資金が集まった。
2023 年 2 月の国内外における投資信託市場の資金動向は、全体的に流入超過となりました。国内投信市場では、上場株式投資信託 (ETF) からの資金流出が目立ちましたが、一般の投信は資金を集め、 ETF を含むベースでも流入超過を維持。海外市場では、引き続き米国籍のファンドに資金が集まりました。
I. ETF (上場投資信託) は純流出
2 月の国内公募株式オープン投資信託市場は、引き続き設定額が解約・償還額を上回りました。リッパーの推計では、ETF (上場投資信託) を除く集計ベースで 4,094 億円の流入超過、27 カ月連続の純流入となりました。ETF が純流出となったため、ETF を含めると超過額は 2,416 億円でしたが、38 カ月連続純流入です。
また、株式オープンの 1 月・2 月を累計した資金動向は、ETF を除くベースで 9,250 億円の純流入、ETF を含めると 8,129 億円でした。ただし、2022 年、2021 年の同期に比べると流入超過額は縮小しています。
データをさかのぼることができる 2003 年以降の各年 1~2 月累計の株式オープンへの純流入額について、ETF と ETF 以外の株式オープンに分けて集計しました【グラフ1】。ETF は 2 ヵ月累計しても流出超過です。

2013 年以降の月ごとの純流入額の推移は【グラフ2】の通りです。2021 年 3 月に日本銀行が金融緩和を見直し、年間買い入れ額の上限 6 兆円を撤廃した影響が明白です。

II. IT 株投信は 2 カ月で昨年 1 年間の 1.7 倍の純流出
リッパーの投資対象別では、米国株投信やグローバル株投信が引き続き資金を集めています【グラフ3】。2023 年 1~2 月累計の純流入額を、左軸 (単位:億円) に●でプロットしました。2021 年に多額の資金を集めたIT 株投信は、2022 年になると流出超過に転じ、純流出額は年間で 290 億円 (右軸) でした。今年もその流れを引き継ぎ、2カ月で既に 2022 年間の 1.7 倍となる 491 億円 (左軸) の純流出になっています。

III. 外国株のインデックスファンドが相変わらずの人気
個別のファンドでは、純流入上位は引き続き米国株やグローバル株のインデックス投信が人気です。純流入額、純流出額ともに絶対額で比較しているため、純資産の規模が大きいファンドが上位に並んでしまう傾向です。それぞれ上位5銘柄は、【表】の通り。純流出額の大きな銘柄は、過去に多額を集めた投信が顔をのぞかせています。

IV. 米国籍ファンドへの資金流入が圧倒的
主要な国・地域の外国籍ファンドの純流入額は、2023 年 1~2 月累計で、純資産の規模が大きい米国籍ファンドがトップです【グラフ4】。米国株ファンドは圧倒的な強さです。
